tatonka 背負子(ショイコ) レビュー

タトンカ 背負子 ― 唯一無二の存在 ー
2017年8月30日


 
 
サイト管理人の友人Sです。久しぶりのレビューやっていきます!

 

人類には背負子という素晴らしい発明があります。

ご家庭で不要になりました~♫、テレビ、エアコン、洗濯機。。。なんでも担いで行けちゃうのが背負子である。
でも実情はといえば。。。
 
 

普通の背負子がいかに低文明なものか(中略)。ショルダーハーネスはペラペラ、腰パッドはガッシャ―〇ルム未満、背面はフレームにベルト通しただけ。例え20㎏であっても荷重が全て肩に食い込みかなりつらい。普通の背負子ほんとひどいぜ。まじフレームにベルト通しただけ。―友人R

 
 
そうなんです、普通の背負子は腰ベルト(あくまでも腰“ベルト”であって決して腰パッドとは言えない)がほぼ機能してないんです。だから自分の生活の全てを背中に背負って歩く人種、いわゆるバックパッカーと呼ばれる奴なら誰でも一度は思うことがある。
 
背負子に最新型の背面システムを移植すれば最強じゃね?
 
それを本当につくってしまった奴らがいる。
もちろんドイツランドの奴らだ。ただ、ドイツのザックメーカーといってもドイターじゃないです。ドイターさんなら完璧に仕上げるからこんなネタ商品なんか作らないはず。
 

ドイツでこんなん作る迷走ザックメーカーといえばタトンカしかない。

タトンカはわりかし歴史が浅いのでまだあまり知られていませんがタスマニアンタイガーというブランドで本気の軍用ザックを作ったかと思えばへなちょこ背面システム引っさげて高コスパに走ったり。。。だいたいザックメーカーってのはメーカーごとに違う独自の味付けってのがあるんですけど、タトンカ、うーんこいつらはよくわかんないです。でも最近は落ち着いてきてるのかな?
とか言ってますけどまあ普通の高品質ザックメーカーです。

 

スペック

とりあえずスペック

重量2000g
 アルミフレーム
 背面長43-49㎝
 静荷重40㎏
 
じゅ、重量2000g?! 軽っ!!
剛性高そうだし普通の大型ザックよりいいだろこれ!
 
↑騙されて買いました
んなかるいわけねえだろ(笑)!
上にあるのはエバニューHP記載のスペックなんですけどタトンカHPにいくと正しいスペックがかいてあります。
 
正しいスペック
重量2.7㎏
 背面システムV2
 生地 420HD
 アルミフレーム
 耐荷重50㎏
 
2.7㎏…ま、そうなりますよね。
でも生地のチョイスはナイス。
背面長調整きくのもナイス。
お値段¥20k
まあ悪くはない。
それにしてもエバニューさんさすがにサバ読みすぎやろ。これじゃほぼ詐欺やで(怒)。
 
 

使ってみた感想

 
自立する!
荷物外せばどこでも椅子!まあ国会の椅子みたいに背もたれ直角だけど。
見た目かっこいい、異質すぎてみんなの注目を集める!
パッドはタトンカおなじみの柔らかめの厚め。
この辺は見りゃわかることなので軽くスルーするとして実際どうなのか。
 
こいつはあくまでも背負子です。インターナルフレームバックパックと違う背負子独特のパッキング能力が求められます。こいつ、重心をセンターに持ってくるのが難しいんです。
テキトーにパッキングするとバランスが確実に狂って歩けたもんじゃない。
凡人が買うもんじゃねえわ、これ。でもどんな形状の荷物でもパッキング能力と体力次第で運べてしまう。緊急時に担架にしたりとか頑丈なフレームはなんだかんだでいろいろ応用できそう。ロマンたっぷり究極の外付け天国、それが背負子の魅力。どんな荷物にも対応するポテンシャルがある。そう、みんなポテンシャルって言葉が大好きなんですよね。ま、もちろん藪漕ぎは地獄を見ます。
 じゃあ背負い心地はどうなんだ?実は近代的な背面システムを装備しているとはいえ、背負い心地も背負子の特性が抜けていないんですよこれが。
まず、大型ザックを語るうえで背面システムの剛性は非常に重要です。剛性が無いと荷重をきちんと腰に移すことができません。最近のザックメーカーは軽量化と剛性の両立に取り組んでいます。でもこれがなかなか難しいんです。ドイターなど剛性重視のものは30㎏以上の荷物でも快適に背負えますがザック重量が3㎏ほどあります。逆にオスプレイなど軽量化重視のものは軽くできていますが快適に背負えるのは20㎏くらいまでです。これをハイレベルで両立しちゃう強者もいれば快適性を全部体力でカバーすることを想定している玄人向けなクレイジーなザックもあります。大型ザック選びが難しいのはこの辺の味付けがカタログスペックには現れず、実際にお店で30㎏位重りを入れて背負って比べないとわからないところなのです。そのうえでパッドの厚みや硬さの好みや予算などといったことも考慮して絞り込まなければなりません。
 
すこし話が脱線しましたが背負子はアルミフレームのおかげでめちゃくちゃ剛性がたかいんです。車でいえばジムニーみたいな。ただ、人間は歩くときに体全体が動きます。だから縦方向の剛性をあげつつも体の動きに追従するようにある程度ねじれてくれないといけないんです。
でもそこはあくまでも背負子。ねじれ剛性もたけえ。一歩一歩歩くたびにフレームがねじれまいとギシギシ言う。結局背面システムというのはフレーム設計が要であって背負子にパッドをつければいいという簡単な話でもないみたいです。
そして一番の問題は腰パッドの剛性が低い!ああ?タトンカここでそれするかあ?フレーム剛性こんなに高いのになんで腰パッド真面目につくらないの?悪い意味でタトンカらしい迷走っぷり。。。
腰に荷重を移すためにグラスファイバーの補助フレームまで用意しといてこれか?!
20キロ台後半あたりからは腰パッドが重さに負けて曲がり始めて腰の荷重分散が甘くなります。というわけでフレームは30kg以上でも快適に背負えるポテンシャルがあったにも関わらず腰パッドのせいで20㎏から上は快適性はあきらめてねの世界になってしまったorz。それでも普通の背負子よりはかなりマシですけど。
(追記Jan.24,2018)
腰パッドの剛性が低いという問題ですが、実はこのレビューを書いた後も筆者自身納得してないところがありまして、普通に触ると極端に柔らかいわけでもなく、そんなに問題があるようには見えないけど背負うとなんか圧迫感があって不快というもので理由がよくわからないんです。腰パッドの幅が広すぎるからなのかもしれませんが、背面長という問題かと思います。背負子の背面長調整は測ってみると6段階調整ではあるものの、背面長50㎝以下の人には対応しておらず、やたらと高身長向けになっております。さすがタトンカです苦笑。筆者の場合だと背面長調整の下限をかすってるあたりなのでそもそも背面長の問題があるのかもしれません。他の人が使ったら腰パッドの問題は感じないのかもしれません。他にも背負子ユーザーがいましたらツイッターで意見を聞かせてください。
 
そう、もう一つ背負子らしいところ。フレームの厚みのせいでどうしても荷物と背中の間に数cm隙間ができる。荷物の重心が体から離れてマスの集中化が図れないんです。背負い心地が少し不安定な印象を受けます。パッキングがシビアになっている理由はここにもあります。重心のちょっとのずれが歩いているだけで良く分かってしまうんです。パッキングの勉強にはなります苦笑。ある程度慣れてる人向けです。
 
あと気になった細かい点
フレームむき出しだから荷物を積んだ状態で車に積んだりとか手でもって動かすのが楽。
歩いてる途中に肩パッドやスタビライザーが少しずつ緩む(タトンカあるある)。
普通の背負子と違ってフレーム全体を生地が覆っているから普通の大型ザックと同じように蒸れる。
それくらいですかね?

総評

大型ザックの代替品として使いたい人は買うべきではない。買うメリットが無い。
以下買うメリットがありそうな人たち。
少なくとも背負子の進化版としては十分価値はあります。
 
ホムセンボックスとか段ボールとかクーラーボックスとかを背負って歩く人、即ち山小屋勤務の人。
ハンターの人?ハンティングしないのでわからないですけど撃った獲物を括り付けて歩くとかにはいいんじゃないですかね?
あとは変人全般。ま、こんなの欲しがる奴の95%は絶対おっさんだ(笑)。
 
競合する製品が無い唯一無二の存在です。こいつを作っただけでもタトンカを評価すべきだと思います。普通の背負子と比較すれば快適性は飛躍的に向上してますから。腰パッドだけでも改良すれば評価一気に上げます。
独断と偏見にまみれた総合評価:70点
 
 
【追記Jun.11,2018】
山よりも普段の生活で案外便利なので本当は80点くらいにすべきだったのかもしれない苦笑。
 

後日

モンベルの新しい秋冬物カタログ来たぞー!
それにしても、うーん。。。モンベルって年々色使いがダサくなってねえか?
 
ん? んん?
 
?!
 
 
モンベル ロガーキャリア

 

mont bell 2017~2018 Fall & Winter Clothing Catalog

 
 
モンベルがパクった――――!
 
というかなんでギアカタログじゃなくてクロージングカタログに。。。
さらに言えばなぜあえて林業アイテムとして。。。
いろいろ謎です。 
でもアクセサリーを充実させるのはいい意味でモンベルらしい。
 
まあというわけでタトンカは唯一無二の存在ではなくなりました。
競争が生まれること自体は製品の進化を促すので基本的にいいことなのですが、モンベルに多いケースとして何かをパクろうとしたものの一歩踏み外して駄作になるという。。。
まあなんにせよ一度実物を見るまでは何とも言えませんけど。
今度モンベルショップに行ったときに見とこー。
 

追記(Nov.4,2017)

さかいやに買い物にいったらモンベルのロガーキャリアが置いてあったので軽くインプレです。
 
まず、軽い。
うんこれいいこと。
 
次に重りを積んで背負ってみる。
ああ。。。。。。背負子だ。。。。
 
奴らは今回も期待を裏切らない。
ちゃんと一歩踏み外して駄作を作ってくれたorz
 
まあ貧弱なパッドからして明らかでしたけどね。
そもそも腰パッドと呼んでいいのか?それこそ腰ベルトではないか?
というか、これなら普通の背負子買った方が軽い分マシな気すらする。。。
タトンカは20㎏以上が快適じゃないといっても死なずに背負えるんですよ。
40㎏でも50㎏でもなんだかんだで使えるんです。さすがザックメーカーです。
でもモンベルのこいつはそーゆーの期待しちゃダメです。
快適性とか以前の問題であって、、、
てかそれじゃあもはや普通の背負子じゃん!
 
要するにだ、
普通の背負子よりも快適か?→あんま変わらないけど一応YES
重量増加した分に見合うだけの快適性向上は得てるか?→NO
モンベルさんやるならとことん快適にしましょうよ。
 
 
要するにモンベルの背面システムをそのまんま移植したのか。。。納得
手でフレームを曲げて体の形にあわせられます!(=重量物入れて使えばフレーム曲がります)
て感じでザック作ってる奴らの背面システムだもんな。。。
 
モンベルが山小屋用途じゃなくて林業用途でロガーキャリアを推してるのは想定重量の部分を考慮しているのかもしれません。
 
うん、タトンカすごい!
重くても快適な背負子欲しかったらタトンカ買おう。
 
モンベルさん、もしこの記事読んでるんだったらヒップベルト筆頭に各部の剛性上げて!
特にヒップベルトは剛性を上げるのと同時にフレームにがっちり直結するなりして直に荷重が受け止められるようにしてください。そしたらすごく良くなると思います。
フレームの剛性と重さのバランスも頑張ったと思いますし、なんかあと一歩が上手くいってないんです。
この製品クソ!って言うの俺もホントはしたくないんです。
沢靴の時みたいにリベンジして使える物を次は出してください!
 

ABOUTこの記事をかいた人

S

ストイックに理詰めで装備システムを構築する実用主義者。ponkyがデザイナーならSはエンジニア(B2は中間でバランス良い)。Sからすれば実用性第一で見た目は二の次のようだ。体力はないが、読図やロープワークは超得意。
イギリス生まれなのにアメリカ英語しか使えない日本育ち。