タスマニアンタイガー レイドパック レビュー【軍用ザック】

タトンカの本気 Dec. 29, 2017【追記Jul.25,2018】


登山中にほかの登山者が自分の装備を見て“あれ?あなたこの前同じところで会いましたよね?”って言われてビックリしたことがある人はいますでしょうか?

岩とか氷とかのちょっとマニアックな分野の登山で通い詰めてるエリアとかだと世界が狭いのでいろんな人によく会うもんなんですけど、一般登山者の多い普通のハイキングコースだとやっぱり少ないと思います。でも3年前くらいに筆者がタスマニアンタイガー レイドパックを背負ってたのを覚えててくれて声かけてきた人がいたんですよね。あの時すごい嬉しくてそれ以来レイドパックを手放せないんです。

今日もAGECアウトドアにアクセスしていただきありがとうございます。どうもサイト管理人の友人Sです。タスマニアンタイガーってザックブランドを知ってますでしょうか?あの迷走ザックメーカー、タトンカの軍用部門です。

はい、まずはじめに告白させていただくのですが、このザック見た目で買いました笑。

だって軍用ザックってカッコいいじゃん!!

決して筆者はミリオタではありませんが、アウトドアギアマニアとしては軍隊の装備システムから学べることは結構あると思います。まあ軍隊頭わりいなあって思うとこもいっぱいあるんですけどね笑。

筆者が買った時はボーイスカウトのキャンプで大きいザックを使うことがあっても縦走とかで重い荷物を背負って長距離歩くことはまだしたことがなかったので結構見た目で買っちゃったんですよね。うわ~!MOLLEいっぱいあってカッコいい!ポーチ増設できるし外付けするとき縛り付けるところいっぱいある~!まさしくこんな感じでしたね苦笑。

今だったら、、、、うん、ぜってー買わねーわ笑。

それでも使い続けるのは2nd cool(情緒的価値)の部分が大きいんですよね、っていうかサイズ的にもレイドパックが一番使用頻度が高いです。なので今ではボロボロですがそれでも耐久性が高いのでまだまだ使えます。それに、なんだかんだ言っても背面システム等は優秀なのでそこから魔改造を重ねた結果山でも使いやすくなったのもあります。

はっきり言ってレイドパックはオススメしづらいです。なんか悪くはないけどすごく使いやすいわけでもないって感じです。でも実はPonkyも筆者が購入した2~3年後くらいにレイドパック買ったんですよね。それでも欲しい方、興味がある方は癖や競合モデルも紹介しますので是非最後まで読んでみて下さい。

スペック

えっと、現行はMkⅢにモデルチェンジしてるみたいですが、筆者が持ってるのはMkⅡなんでちょっと違うとこあるかもしれません。

タスマニアンタイガー レイドパック MkⅡ
容量:50L(?)
重量:2.4㎏
満載時寸法(ショルダーハーネス・ヒップベルト除く):幅約45×厚さ約30×高さ約70㎝
生地:コーデュラ700 (630dn?)(MCのみ500dn)
背面システム:X LITE VARIO
カラー:OD・カーキ・ブラック・マルチカム

さて、輸入代理店してるトランパーズさんは容量45Lって言ってるんですけど、確か製品タグには容量50Lって書いてあったと思うんですよね(タグ無くした)。実は調べてみるとスペックに45Lって書いてるとこ50Lって書いてるところ両方あります。実際に使っていると容量50Lの感じがします。

ザックの形状も特徴的で、同じくらいの容量のザックと比べると太くて高さが短い感じがします。一般的な50Lザックは重心位置が体から離れないようにもっと細くて、縦に長いです。レイドパックは太短いプロポーションにさらにサイドポケットが付いてますから、筆者の高校時代の山岳部顧問はキスリングを思い出すと言って懐かしがってました笑。

うーん。このザックやっぱちょっと重いんだよな。生地はコーデュラ700でザックメーカーなんで生地の品質はさすがです。でもこの生地は1000dnなんかと比べりゃマシですがそれでもちょいと重いです。詳しくは後述します。

重量2.4㎏ってのは重い生地を使ってるわりには軽いです。これは多分背面システムのおかげです。X Lite Varioシステムはグラスファイバーフレームを採用しているんです。でビックリしたのはその剛性。普通、友人Rのように50Lザックに30㎏も40㎏も詰め込むとだいたいフレームひん曲がるんですけど、これがレイドパックはワンランク上の容量の大型ザックに近い剛性があるんですよ。これも詳しくは後述します。

用途

本来の設計思想は恐らく長距離偵察。環境にもよりますが容量からして数日間の短距離任務に使用されると思われます。てか、兵隊さんって自分で勝手に装備買って任務に使っていいんですか?支給品使わなきゃいけないとかあるんですか?詳しい人いたら教えてください。

 

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といっても本記事を読んでいただいてる方には長距離偵察に使ってる方はいらっしゃらないでしょう。多分。というわけで多くの人には数日間のバックパッキングキャンプ、登山、ハイキングなどなどが主な用途かと思います。さて、ここで筆者の友人Rの爆弾発言を紹介しましょう。

50Lクラスで2週間の縦走できるよ。ちっちゃいザック選んだ方が無駄なもん詰め込まないしザック自体も軽いし。

ま、間違っちゃいないが。。。。。ちなみにこれ外付け前提です苦笑。

さらに加えてこんなことも言いました。

モンベルのバーサライト40を2年周期くらいで買い替えながら使えば最強じゃね?!

アホか爆笑!!!

というわけでレイドパックでも2週間の長期縦走できます笑。向いているとは言い難いですが。アウトドアで泊まりのハイキングしてる人なら細かいこと言わなくても50Lクラスのザック、と言えば用途はわかりますよね?ちなみにタスマニアンタイガーは生地が厚いので筆者はザックをガリガリ擦りまくる花崗岩エリアのクライミングのアプローチでよく使ってます。

ま、あとはサバゲでコスプレしたい人ってとこですかね?でもそういう用途はまったく考慮しないで記事書いてます。すんません。

 

気室構造

メインは2気室、仕切りはファスナーによる1気室・2気室切り替え式です。サイドアクセス無しのトップローダー。それに加えて雨蓋とサイドポケットがあります。

メイン気室

レイドパックは一般的なザックにも多く採用されている2気室のトップローダーです。軍用ザックはタスマニアンタイガーのトゥルーパーパックやケルティのレッドウィング、アークテリクスLEAFなどのようにどういうわけか大きいサイズのパネルローダーが多いのが非常に興味深いです。ご存じない方もいると思うので軽く説明すると、パネルローディングっていうのはコの字型に大きくファスナーが開く形式でデイパックに広く採用されています。トップローディングというのは大型ザックに広く採用されている形式でザックが大きな袋の形で上から荷物を出し入れするタイプです。トップローダーの欠点として荷物の出し入れが上からなのでザックの下の方の荷物が取り出しにくいという欠点があります。なのでザックの側面から中にアクセスできるサイドアクセスや、さらに大きなザックの場合は大きくU字型に開くジッパーをつけてパネルローディングを組み込んじゃうデザインになっています。

レイドパックは残念ながらサイドアクセスはありません。なので2気室で使うときは上気室の奥底のアクセス性は悪いです。でも筆者のように2気室が嫌いな人には逆に好都合で、気室の仕切りを取っ払って1気室にしちゃえば下気室の口がちょうどフロントアクセスになるのでサイドアクセスが無駄に増えるみたいなことがありません。もちろん、気室の仕切りを取っ払わなくてもファスナーで切り替えられるようになっているので状況に応じて使い分けられます。気室の仕切りはファスナーが主流でレイドパックもファスナー式ですが、個人的にはセロ・トーレが採用しているような巾着型の絞りが好きです。

これから何度も出てくるのですが、このメインの気室は容量の割に太くて浅いです。パッキングにおいてそんなに使い勝手が良くなるわけでも悪くなるわけでもないですがこれはレイドパックの大きな特徴だと思います。メイン気室の上の絞りはそれほど高さはなく、雨蓋も根元で固定されているので上に伸ばして容量を増やすことはできません。これは伸びるようにしてほしかったですけどMkⅢでは改良されてません。残念。アックスループは2つ、普通のザックと同じです。

雨蓋

雨蓋が固定式になっているのは大きなマイナスです。雨蓋でマットなどを挟むのが難しくなっています。そこだけは変えてほしいです。雨蓋の外ポケットはファスナーで大きく開いてすごく使いやすいです。雨蓋も薄っぺらく作られていますがもっと高さをだしてもよかったと思います。特に外ポケットの部分はモノがこぼれないようにもっと多めに生地の立ち上がりを設けてファスナーを開いたときにトレーのようになってれば使いやすかったと思います。

内ポケットは特別なことは無く、一般的なザックと同じです。雨蓋の内側にはメーカーによっては個人情報を記入する欄だったり凝ってるものもありますが、タスマニアンタイガーの場合はタトンカと同じで緑十字マークです。ここにFAKなり緊急連絡先カードを入れとけって意味ですかね。雨蓋の内側には事故ったときのために個人情報や緊急連絡先を記入したカードを作って入れとくといざという時に役に立つのでオススメです。外付け用に25㎜テープ用の角環のリングが4つ付いてます。普通は汎用性を考慮してD環採用が多いのでテープ専用の角環採用は珍しいです。筆者はもっぱらヘルメット固定用に使ってます。

サイドポケット

レイドパックはサイドポケットがとても特徴的です。タスマニアンタイガーが自ら“クラシカルな”って言う表現をしてるあたりからしてキスリングを意識してるんでしょう。容量は左右にそれぞれ2Lくらいずつです。意外と物が入って使いやすいです。中にゴムがあって大きめのものはそれで固定すればサイドポケットを大きく開いても簡単に落ちないようになっています。細かいところではありますがありがたい心配りです。小物を入れるためのメッシュポケットもあります。便利。

サイドポケットがあるためか、側面のコンプレッションストラップの上側の方は異様に長いです。さらにそこにMOLLEが付いてますが横に張り出すのであんまり使いやすい位置とも思えません。サイドポケットがあると横に張り出すのでマットやテントのポール、大きいナイフや銃(?!)を外付けするときは邪魔です。横に外付けするときは大抵サイドポケットの中を空にして潰すと思います。なんかすごい無駄です。左右どちらでもいいんですけどどちらか片方を外付け用に切り取ってしまうのがお勧めです。

 

背面システム

タクティカルナイロンギアメーカーとタスマニアンタイガーのようなザック専門メーカーの軍用部門では背面システムに決定的な違いがあります。

背面システムって設計するのが難しいんですよ。特に大型ザックは。

なにが難しいかって、ザックに剛性を出して荷重を肩から抜いて腰に移す設計をしなきゃいけないんです。

タスマニアンタイガーはやっぱその辺上手いですね。

パッドはやわらかめの厚めでいつものタトンカと同じ、と見せかけて実は他のタトンカの製品よりもちょっと固めでしっかりしてます。というか普通のタトンカのパッドがやらかすぎるんですよ。タスマニアンタイガーの他のモデルを比較してないのでちょっとわかりませんが、メーカーによっては容量によって味付けが変わってくることもあります。筆者のレイドパックは使用頻度が高いので今ではパッドがヘタってます。そろそろショルダーハーネスだけでも交換してもいいかも。

レイドパックが本当にすごいのはこの背面システムの設計です。タトンカの低価格モデルなんか見てるとひっでえ背面システムだなあなんて思うこともあるんですけど、タトンカもやるときはやるじゃん!レイドパックの背面システムはそれくらいええです。タスマニアンタイガーだからいいのかX light varioが良いのかそれともこのモデルだけ特別いいのかは背負って比較してないのでよくわかんないです。

http://www.tasmaniantiger.jp/cs/

背面システムはX light varioシステムです。表記がliteとlightが混ざってるんですけど多分名称変更したんですかね?メーカーHPがlight表記なんでそっちにあわせます。背面システムで一番重要なのはフレームです。X light varioシステムでは直径約4.9㎜の2本のGFRP(グラスファイバー強化樹脂)のフレームが樹脂版にX字状に配置されていてそれらの上端は横方向に走る補助フレームに、下端はヒップベルトに直結されています。グラスファイバーフレームがヒップベルトに直結していることで効果的に腰に荷重を移すことができるってのがポイントです。

一般的なアルミフレームが車でいうところのラダーフレームだとしたらこのフレーム構造はモノコックに近いでしょう。この手のフレームを採用してるのは大抵中型ザックまで大型ザックでの採用はそれほど多くありません。フレームだけ見るとプラスチックの張り合わせですごいちゃっちく見えるんですけど、これがビックリするぐらい重い荷物にも耐えるんですよ。30㎏越えでも快適に背負えます。この軽さでこれだけ重い荷物に耐える背面システムがこの容量のザックで採用されているのはすごいです。兵隊さんは荷物が重くなるって読んだ設計なんでしょうかね。また、プラスチックのフレームを採用することで軽量化を達成しています。さらに、アルミフレームと比べてプラスチックの方がたわみやすいため、歩いているときに身体の動きに追従してフレームがねじれてくれますのでとても背負い心地がいいです。軽くて強くて体の動きに自由に追従する。レイドパックの魅力の8割はこのフレームです。

ただ、完璧かと言えばそういうわけでもなくて詰めの甘さがなんかすごくタトンカらしいです苦笑。タスマニアンタイガーも中身はやっぱタトンカですね笑。まず、背面長調整は4段階でできます。でも調整範囲がやたらと低身長に振ってあるんです。筆者は背面長49㎝、身長170くらいですが、背面長調整の位置が上から2段目なんです。身長180㎝の人がレイドパックを使うと対応できないかもしれません。ちなみに同社の背負子で筆者の体格に調整すると6段階の調整で背面長が一番短くなる位置に来ます。あの背負子は逆に低身長を受け付けない仕様なんです苦笑。タトンカというザックメーカー、背面長調整はつけるが調整範囲はテキトーという迷走っぷりは相変わらずでタスマニアンタイガーでもそこは変わりません笑。レイドパックは同容量の一般的なザックよりも高さが低めで太い形をしているので背面長調整で長さを確保できずに仕方なく低身長向けに振ってあるのかもしれません。また、太短いプロポーションの影響で肩のスタビライザーの取り付け位置が明らかに低すぎます。もう5㎝上だったらはるかに使いやすかったです。あとは、タトンカあるあるの歩いてる間にストラップが緩んでくる現象、歩きながら時々調整が必要です。

 

細かいこと

MOLLEの話

まず、これ読み方なんですか?筆者は英語から入ったので“モーリー”だと思ってたんですけど日本語見ると“モール”って書いてるんですよね。日本人の読み間違い?ドイツ読みとかフランス読みだとモールになるんですか?詳しい方いましたら教えてください。

軍用ザックなんでMOLLEがびっしりついてます。軍用ザックのカッコよさはMOLLEの影響によるものが大きかったりします笑。万が一MOLLEを知らない人がいましたら、MOLLEってのは防弾ベストなどの軍用のナイロン装備品にポーチ等をくっつけるシステムの規格です。ググればいくらでも情報出てくると思います。

MOLLEのコンセプトは素晴らしくてベストや小型ザックなどにはとても有効だと思いますが、大型ザックに限った話をするとMOLLEってのは実は大型ザックとあんまり相性がよろしくなくて、純粋にザックの機能性だけ見ると用途がないならMOLLE無い方がいいんですよね。

問題点① 耐水性の低下:MOLLEは生地に大量の縫い目がつきます。そして縫い目から水が滲んできます。まあ縫い目ってのは生地に穴開けてるわけですから当たり前ですね。

問題点② 重量バランス:ザックの一番外側は一番重量バランスに影響を与えます。MOLLEは大量のナイロンテープを使いますのでその重さもありますし、そもそもMOLLEでポーチを増設するのはポーチを直接縫い付けるのに比べてより多くの生地を使います。また、MOLLEでポーチをザックに取り付けるとストラップでがっちりは固定できないので歩行中に安定しません。

問題点③ 藪漕ぎ:ポーチを増設したらブッシュで引っ掛かりまくります。また、MOLLEでポーチをつけるのは直接縫い付けるよりも厚みが出てしまいます。まあ、当たり前っちゃ当たり前です。

重量配分を考えるとMOLLEが有効なのはザックの雨蓋のてっぺんの部分、でもそこは耐水性低下の悪影響を一番強く受ける。。。となると次にサイドが良いと思いきやそこは長物の収納と干渉する。。。

そもそも重い大型ザックだとポーチにアクセスするために背中から下すのも一苦労。そう考えるとヒップベルトにつけるのはかなり有効だと思います。

パッキングの観点から見ると大型ザックでMOLLEを効果的に使える場所ってかなり限定的なはずなんですよ。だから一部にMOLLEつけるのはわかるんですけどザックの全面に広くMOLLEつけるって設計は理解できないんですよね。ただの性能低下です。それでも妥協して各社がMOLLEをつけるには理由があるんでしょうか?任務次第だとは思いますけど長距離偵察だとチェストリグを併用してポーチ類はチェストリグにつけるからザックのMOLLEってそんな使わないのではないでしょうか?読んで下さってる方で長距離偵察とかやってる兵隊さんの方いましたらザックのMOLLEをどう使ってるのか是非教えてください。

生地の話

まず、ザックメーカーなので生地の品質は高いです。クオリティは文句なし。マルチカムとかコーデュラとかのタグが付いてるものはタグ記載のブランドに製品の品質を審査されてるので信頼できます。

軍用ザックは耐久性を上げるために重めの生地が使われています。でもザックの軽量化は効果がデカいのでここの選択をミスると大変です。ザックメーカーってのはよ~く考えて生地の選定をしています。現在は500dnの生地を基本としてボトムなどの摩耗が激しい個所に1000dnを採用しているのが主流です。カリマーSFがザック専業メーカーで唯一1000dnを採用していますが、それでも無駄に重くならないように注意して設計してます。この辺がやはりタスマニアンタイガーのようなザック専業メーカーとタクティカルナイロンギアメーカーの違いです。ザックのノウハウが無いととりあえず1000dn使おうみたいになるんですけど、

とりあえずで1000dn使うのはやめよう!!

“1000dn使ってるから耐久性高いよ!”のマーケティングに引っかかるのは重い荷物を背負って長距離歩いたことがない人たちです。本体の生地を厚くしたとしても先に摩耗するのはボトム、フレームを受け止めてる部分ですからとりあえず1000dnっていうのは完全に無駄です。というかそもそも生地の摩耗とか以前に恐らくPUコーティングが先に死にます。生地が厚いと雨が降ったときに水をたくさん吸ってしまって乾くのも遅いです。濡れたら長時間大量の水を無駄に持ち運ぶことになります。

そこで、タスマニアンタイガーは面白いとこをついてきました。あえてコーデュラ700を採用しました。“1000dn相当の切り裂き耐性を500dnの軽さで実現した”っていう主張してますがえっと、そんなことは絶対にありえません苦笑。500よりは重いですし、1000より耐久性は劣ります。要するに重さも耐久性も1000dnと500dnの中間です。普通に考えて当たり前のことです。ちなみにコーデュラ700って何デニールなんですかね?メーカーサイトでは“コーデュラ700den”って表記で厚さ700dnと言ってますが、“コーデュラ700”って言う名称の生地がインビスタのサイトでは630dnって書いてあるんですよね。メーカーと材料屋が協力して独自材料を開発してることもあって、ちょっと筆者にはどっちなのかわかんないですね。まあ、細かいことはさておき、500でも薄いって言う兵隊さんがもしいたらいきなり1000dnに行くよりは遥かにマシです。そう考えると合格ですかね?個人的には本体500dnでボトムを1000dnかターポリンにして欲しかったです。マルチカムは素材の関係で500dnしかないのでマルチカム買うのがある意味正解!??

パーツ類

バックル、ファスナー、ストラップどれをとっても高品質です。バックルのシェアはITW/ニフコとウージンで二分されてますが、タスマニアンタイガーはタトンカと同じくウージンを採用してます。でもどーゆーわけか歩いてる間にラダーロックが緩む。。。しかも使いにくいからと言ってユーザーには簡単には交換できない。タトンカさん、ラダーロックだけ違うモデルに変えたらどーですか?だいぶ改善すると思いますよ。まあ、歩いてる途中は頻繁に微調整するものなので別にいいだろって感じなのかもしれませんが勝手に緩むのはやっぱりちょっと不親切です。スターナムストラップは笛付きバックルでナイス。このバックルだけITWです。スターナムストラップでは片引きが多いですが、タトンカは珍しく両引きバックルです。

あと、もう一点改善してほしいのはヒップベルトのSRバックルです。このSRバックルはタスマニアンタイガーの製品に広く使われていて使いやすいんですけど、ばねの部分が細くて折れちゃうんですよ。筆者のレイドパックも一回バックルを交換しました。まあ折れても即使用不能になるわけじゃないのでいいだろって感じなんでしょうね。まあこのSRバックルは簡単に交換できるのでもし折れたらもっと耐久性の高いものに交換してもいいでしょう。

ファスナーはいつも通りYKKです、って思いきや刻印無し!?まあ品質は高いので多分ちゃんとしたメーカーのもの採用してます。ジッパープルはただの紐ですが、結び目が緩いものもあるので使う前にしっかり締めておくことを勧めます。ストラップも高品質で文句無しなんですけど、驚いたのは色です。画像だとあんまりうまく色を表現できないのが残念です。よく米軍装備にあるとりあえずタンカラーでみたいなのとは違ってODとタンカラーを混ぜたような絶妙な色なんです。砂漠地帯でも森林地帯でもってバランス取ったように見えるんですよ。まあ、たまたま材料屋がそういう色しか持ってなかったって可能性もあるんですけど、もしタスマニアンタイガーがこの色を狙ってたとしたらそのこだわりには脱帽です。さすがゲルマン人はこだわりが違うぜ(バックルとか背面長調整とか雨蓋とかはなんも考えてないかもしれないけど)。コンプレッションストラップの末端にはベルクロがついてて余ったテープが引っかからないように止めることができるようになってます。めんどいっちゃめんどいんですけど便利っちゃ便利です。使うかはユーザー次第ですがあって損はなし。あとは下のサイドハンドルがなかなか便利です。

 

改造点

ザックってのは案外簡単に改造できます。無駄なものは切り取って足りないものは縫い付ける。そのためにステッチャーは一本持ってても損は無いでしょう。ただ、一点だけ注意しなければならないのは、すべてのパーツには存在理由があります。きちんとそれらの機能を理解したうえで外していいのかなどを判断していじりましょう。

レイドパックでは主に軽量化のためのカスタムをしました。おかげで現在の重量は2.0㎏くらいに収まっています。

気室仕切りの除去

友人Rなんかは2気室が好きなんですけど、筆者は2気室はパッキングで邪魔になるので嫌いです。だから仕切りは即切り取ります。特にレイドパックの上側の気室はサイドアクセスが無いので仕切りを取っ払って一つの大きな気室にすれば下の気室の口がフロントアクセスの代わりになります。

無駄なMOLLEの除去

無駄なMOLLEは悪です。タスマニアンタイガーはMOLLEの縫い付けがバータッカーではなく3重に縫ってるだけなので生地へのダメージが少なくて切り取りやすいです。雨蓋はヘルメット取り付け位置でMOLLEが基本使えないので切除。下気室の口はマット等の取り付け位置でMOLLEが使えないので切除。サイドはサイドポケットとともに切除。雨蓋だけはMOLLEを切り取ったのをたま~に後悔します笑。2年くらい使ってからMOLLEを外したんですけど、MOLLEのウェビングの下になっていたところだけザックの生地の撥水が摩耗せずに残っており、雨が降ったときに縞々に滲むのが面白いです。

サイドポケットの除去

サイドポケットは確かに便利です。でもそれ以上に邪魔です。ザックの横にテントのポールやマットを外付けしようとするときにスペースを無駄にしてしまいますし、かさばって重量バランスにも悪影響です。でも実際に切り取るのは結構ためらいました苦笑。筆者は軽量化だ!って自分に言い聞かせて両方外しちゃいました。でもこれはあんまり後悔してません。多分左右のどちらか片方だけを切り取った状態が一番使いやすくてバランスが良いです。さらに言えば取り外した方をそのまま雨蓋に移植すると使いやすいと思います。

ハイドレーション対応化

レイドパックはMkⅢではハイドレーション対応ですが、MkⅡでは非対応です。サイドポケットに2Lのハイドレーションがほぼぴったり入ったので今までそれをサイドポケットを使っていましたが、3Lのハイドレーションを使いたいのと重量バランス向上のために対応化の改造です。まず、ザック内部にハイドレーションをぶら下げるループを縫い付けました。その次に右側面にチューブを出す穴をあけて余っていた38㎜テープの端材で補強しました。

今後の改造点

検討案その1:切り取ったサイドポケットを雨蓋に移植。利便性は上がるのですが、重量増加につながるので少しためらってます。

検討案その2:雨蓋を根元で切り離して伸びるようにする。レイドパックは雨蓋が上に伸びないのが大きな欠点のひとつです。もっと使いやすくなるように伸びるようにできないかという試みですが、これは大手術になるのでためらってます。

悩んだ結果やることにしたらそんときはまた紹介します。

追記Jul.25,2018

本格的な夏山シーズンに備えてサイドポケットの雨蓋移植しました。

ミシンに向かって数時間。思ったより大変でした。

サイドポケットのファスナーの雨除け部分が上下逆になっちゃって機能しませんね笑。まあMOLLEついてる時点で耐水性とかないんですけど。

 

競合モデル

軍用 vs 民間

軍用ザックは普通のザックと何が違うんでしょうか?はっきり言って構造や作りはほぼ同じです。ただ、特殊用途になるとスナイパーライフルを携帯するためのものだったり大きな無線を背中に背負ったりとかもあります。そうなると民間用とは全くデザインが違います。

主な違いは生地の厚みと色とMOLLEでしょう。

民間用のザックでも生地が分厚いのはあります。例えば、カリマーなんかは500dn以上を標準採用してますしマックパックのアズテックは耐久性と耐水性で有名です。マックパックなんかはアズテック非採用モデルも平気で630dnの生地とか使ってますが、これは多くの軍用ザックより分厚いです。なので、“軍用だから耐久性が高い”というのは必ずしも正しくありません。となると色ですね。軍用は環境に溶け込みやすい色や迷彩柄のオプションがあります。民間モデルはモデルチェンジで頻繁に色が変わるので年によっては派手な色しか選べないこともあります。でも、もし運よくアースカラー系の色のオプションがあれば、あとはそこまで敏感にならなくても必要に応じて迷彩のザックカバーかけちゃえばいいんです。

また、上にも述べたように大型ザックとMOLLEはとっても相性悪いです。なので無くても多分大丈夫でしょう。もしMOLLEが必要だとしても効果的に使える場所は限られてるからそこだけ自分でMOLLEを縫いつけちゃえばいいんです。民間用ザックの軍用途への流用は世界的に見ると山岳部隊なんかは特に多いんじゃないでしょうか?重い荷物を背負って長い距離を歩くというザックの使い方を考えると軍用よりも民間用の方が使いやすいものが多いと思います。というよりは民間用が優秀すぎるんだ。

By Andre Gustavo Stumpf Filho from Brasil – Exército BrasileiroUploaded by High Contrast, CC BY 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=26299750

山屋なりに一応軍用途ということで考えてみると、アースカラー系の落ち着いた色で耐久性寄りに振った民間用ザックをチョイス、必要ならMOLLEを自分で縫い付け、迷彩ザックカバー追加というのがベストなんじゃないですかね?ここで言う耐久性は生地だけでなく背面システムのことも言ってます。

で絞り込んでくとやっぱりカリマーのクーガーがお勧めです。B2も使ってます。ほとんどの軍用ザックと同じ生地をメインで使ってるので耐久性は問題ないですし、背面システムも優秀、値段もお手頃でサイズ展開やカラーバリエーションも豊富なのでです。これに迷彩ザックカバー、って言いたいのですが大型ザック用の迷彩ザックカバーは国内入手性悪いんですよね。迷彩じゃなくてもいいならタスマニアンタイガーのODカラーのザックカバーがあります。

 

軍用の選択肢

確かに民間用の方がザックとしては使いやすいです。それでもどうしても軍用が欲しいんだ!!って方、軍用も一応オススメまとめときました。大型ザックはタクティカルギアメーカーとザックメーカーの間に決定的な差があります。特に背面システム設計のノウハウが必要なので紹介するのは全てアウトドア業界でザックが強いメーカーの軍事用品部門です。

まずはレイドパックの現行モデルとの比較から行きましょう。でもレイドパックははっきり言ってオススメしません。別に悪いザックじゃないんですけどあえて選ぶメリットもあんまないんですよね。それ以降はメーカーごとにざっくり紹介します。

MkⅡ vs MkⅢ

タスマニアンタイガーの中では容量が少し少なめでもいいならトゥルーパーパック、大きめがいいならレンジャー60を勧めます。それでもレイドパックが欲しいなら筆者はMkⅡをオススメします。

とりあえず変更点:背面システム(X lite vario→V2+)、ハイドレーション対応化、ヒップベルトMOLLE追加

ハイドレーション対応化とヒップベルトにMOLLE追加というのは良いんですけど、背面システム変更が納得いかないですね。あらゆる点でX light varioは最適解でした。タトンカはV2+をX light varioの後継として完全に置き換える予定なのかと予想します。でもフレームをアルミにしたら無駄な重さが増えるだけですよ、って公称値2.9㎏?!!それ70Lザックの重さじゃん!!いやあ、フレーム変更だけでそんなに重くなるとは思えん。なにかの間違いじゃないか?う~ん、もしこの数字が正しいとしたら絶対おすすめしません。

画像判断する限りはフレームの変更によってねじれ剛性が上がって背負い心地が結構変わるんじゃないかなと予想しますが、実際に背負ってないので何ともいえません。

MkⅢがもしその重さだとしたら同社のレンジャー60の方が絶対良いです。あれ?もしかしてこれもディスコン?!

で、本当の本当の本音を言いますとこのサイズではタスマニアンタイガーではタックパック45ってのがダントツで一番のお勧めです。でも残念ながら国内の取り扱いは無し。まあ、兵隊さんだと用途によっては雨蓋の耐久性が足りない可能性もあり得ますが、軍用には珍しいバランスの良さです。

2017 tasmanian tiger catalog

【追記May.2,2018】タックパック45ですが、2017年カタログを最後にカタログ落ちです。。。。使いやすそうなザックに限ってことごとくディスコンにしやがって、こいつらケンカ売ってんのか苦笑?

ケルティ

ケルティの日本代理店はファッションアイテムしか輸入しないのであんまり知られてないかもしれませんが、ケルティって実はザックがかなり強い専業メーカーです。ケルティスーパータイオガって言ってピーンと来た人は一定の年齢層の山岳部経験者ですね笑。ケルティと名乗っておきながらファッションアイテムしか輸入しないのはケルティというブランドへの冒涜ですよまったく。あ、でもレッドウィングとユーコンは入ってたんだ、ってそれだけかよ!ま、残念ながら国内入手性は悲惨です。特に軍用モデルの入手手段は個人輸入くらいですかね。生地は500dn採用でコスパも良し、設計も良し。ケルティが一番まともな軍用ザック作ってるメーカーだと思うんですけどね。だれか輸入代理店始めたらこれは売れますよ。

https://www.youtube.com/watch?v=8wAtOiNHSDk

アークテリクス

あんまり知られてませんが、実はザック専業メーカーじゃないです。アークテリクスってもとはクライミングハーネスが専門なんですよ。アウトドア業界でもテクニカルな製品が得意です。それを用途が真逆な軍用でもやるあたり奴らは全く空気読んでない苦笑。

軍用ラインとしてLEAFってのがあるんですけどこれがまた目玉が飛び出るほどの値段。物は良いですがさすがに価格には見合いません。デザインはアークテリクスの哲学が生きてるんですよね。生地?500dnで十分だろ!MOLLE?つける方が頭悪い!雨蓋?あっても引っかかるだけだ!背面システム?ライト&ファスト最重視!さすがテクニカルギアの強みをわかってらっしゃる。でもあんたら兵隊さんのためにクライミングザック作ってどーするつもりよ。。。

また、サイズ的には今回のレビューとは関係ないですが、アークテリクスは米海兵隊のILBEのデザインもしました。ILBEをベースに改造すれば低価格で高性能な大型ザックが簡単に手に入るので割とオススメです。

http://soldiersystems.net/2014/07/18/arcteryx-combat-pant-gen-2/

ミステリーランチ

一般人が背負うと背中が溶けてしまいます。安全に背負うためにはデイナ教に入信する必要があります笑。それでも背面システムの良さに背中は融けるでしょうけど笑。アークテリクスLEAFと同じで物はすっごく良いけど価格には見合いませんってパターンです。アークテリクスLEAFはデザインが完全にクライマーの感性で、垂直の世界に生きてる人にしかあれの良さは絶対にわかりません。でもミステリーランチはバックパッカー感性のデザインなのでとっつきやすくて使いやすいと思いますし、兵隊さんの用途にもあってると思います。デイナデザインが好きな人はどうぞ買ってください。別に馬鹿にしませんから。それにしてもミステリーランチって500dn採用なのになんでこんなに公称値重いんだ?って思いながら見てたら60LのSATLだけ2.2㎏ってさすがにサバ読みすぎだろ!

https://www.flickr.com/photos/40542035@N08/3798965108

カリマーSF

民間用のザックですら500dn以上を平気で採用するメーカー。軍用部門ではやってくれましたよ、1000dn標準採用苦笑。小型ザックでは基本600dn採用で1000dnを補強にしか使ってないあたりからしてもきちんと軽量化には注意を払ってるみたいです。なので1000dn標準採用の割には重くは無いんですよ。いや、重いのは重いんですけど、ほかの軍用ザックと比べてそんなに変わらないんです。これは民間モデルもそうなのでサバ読んでるわけじゃないと思います。どうやってるか?構造の単純化です。民間モデルも同じ方法なんですけど、機能を減らして無駄な素材の使用をそぎ落とすことで重さを抑えてるんです。うろ覚えですが、確か60Lクラスまでは背面システムが結構ヤワだった気もします。興味ある方は背面システム要確認です。今のモデルを全部600dnで作れば軍用最軽量って売れると思うんだけどなあ。それでも1000dnを採用し続けるあたりがカリマーらしいです苦笑。

http://soldiersystems.net/2013/11/13/grey-ghost-gear-the-exclusive-distributor-of-karrimor-sf-in-the-us/soldier-from-3rd-battalion-the-royal-regiment-of-scotland-talks-to-afghan-civilian/

キャメルバック

実物背負ったことないのと、基本ハイドレーション屋なので正直キャメルバックのザックはどうなのかよくわかりません。生地とか品質は高いですが、背面システムのノウハウを持っているかが微妙です。だからラインナップが中型までしかなくて大型ザックが無いのかもしれません。でも小型ザックは使いやすそうです。大型ザックを作っていないので今回の直接競合ではないですが参考までに。

今もやってるかはわからないですが、ミステリーランチとコラボでミステリーランチデザインのザックをフィリピン工場で作ってたこともありました。ミステリーランチのデザインを9割5分の品質で安く提供できていたのでなかなか良かったと思いますが、残念ながら入手は絶望的でしょう。

https://picclick.co.uk/Camelbak-Motherlode-Lite-Multicam-MTP-Pack-UK-Military-221894095517.html

バーグハウス

今回のレビューを書くまでバーグハウスが軍用ザックあんなに強いとは知りませんでした。というか基本山メーカーなのでミリオタの方だとバーグハウスを知らない方も多いんじゃないでしょうか。実物見たこともないし背負ったことも無いのでデザインの味付けや背面システムについてどうなのかちょっとわかりません。ってこいつらも1000dn標準採用かよ!!それでいて公称値があの重さってのはカリマーと同じパターンてことか。これは面白そうなのでだれか輸入代理店してみませんか?

http://www.lvequipment.nl/brands/berghaus/

追記Sep.4,2018

なんと高校の後輩がバーグハウスの軍用ザックを持っていました!好日山荘で入手したとのことです。

生地は1000dnでボトムは二重に補強。サイドコンプレッションストラップが無いのが残念。機会あればまた紹介します。

ロウ アルパイン

バーグハウスと同じくロウも軍用ザック強いとは知りませんでした。まあロウはなんか軍用作ってそうな雰囲気あるブランドでしたし笑。勉強不足ですみません。でも調べても情報があんまり出てこないのでもう作ってないのか軍隊にしか卸してないのかもしれません。実物を見たことないです。画像をみるかぎりフレームもしっかりしてそうですが、ちょっと情報が少なすぎてどういうザックなのかわかんないです。というか海外ですらほとんど流通してなさそうなので競合とするのはちょっと厳しいかもしれません。あくまでも参考ということで。

グレゴリー

グレゴリーは昔UM-21っていう大型ザック作ってました。海兵隊とアークテリクスが組んで誕生したILBEの発想に近い、というかその前身みたいな存在です。実物見たことないですが、取説見る限りは重そうですが、フレーム構造も強そうです。入手性もそれほど良くなさそうですし、サイズ的にも今回の直接競合ではないですが、参考程度に。

競合まとめ

①実用性重視の兵隊さん→カリマー クーガー

②軍用ザックじゃなきゃいけない→ケルティ・タスマニアンタイガー(・今回とはサイズ違うけどILBE・UM-21)

③②のうちトータルバランスより耐久性最重視→カリマーSF・バーグハウス

④ブランド信者・予算降りるから値段関係ない→ミステリーランチ(トレール志向)、アークテリクスLEAF(テクニカル志向)

玄人変態→背負子・エクスターナルフレームバックパック↓

https://www.reddit.com/r/MilitaryPorn/comments/2guip3/finnish_defence_forces_longrange_reconnaissance/

正直言いますと各メーカー、スペック欄をサバ読んでてきちんと判断できません。輸入代理店の皆様方、お願いなのでスペックの数値はメーカー公称値を横流しにしないできちんと計測してください!本サイトでも数値類は可能な限り実測値にしてますので。

耐久性を重視してザックを選んだとしてもカリマーのクーガーがダントツで使いやすいです。ぶっちゃけ軍用なんてオススメしませんわ。

それでも軍用って人は国内入手性は悪いですが、このサイズで一番オススメしたいのはケルティのレッドウィングです。見た目はそんなにかっこよくないかもしれませんが背面システムが容量相応で機能的で価格も安いんですよね。国内入手性も考慮するとタスマニアンタイガーとカリマーSFになると思います。あくまでもこのサイズにおいては背面システムの違いが結構大きく、大型ザックの背面システムが下りてきて採用ってパターンの重いモデルと小型ザックの背面システムが補強ってパターンの軽いモデルの両方が混在しているクラスです。これはどっちが優れてるかという話ではなく単純に用途の問題です。なので、装備重量が20㎏を超えるならタスマニアンタイガーのトゥルーパーパック、超えないならカリマーSFのセイバー45という選択を勧めます。どちらにせよザックは購入前にお店で重りを入れて背負ってみることを強く推奨します。背負うことでそのザックについてたくさんのことがわかりますから。

 

まとめ

このザックとはいろんなとこに行きました。初めてのテント泊から標高3000mのナイフリッジ、山奥で獣道を辿って茂みをかき分けたりでっかい崖を登りにいったり思い出でいっぱいです。

でもそれにしてもなんでレイドパックなんて買ったんだろうか。別に悪いザックじゃないです。背面システムなんかはタトンカの本気でしたし。でも別に特別優れてるところもない。そんなに安いわけでもない。あえて選ぶ理由なんてまったくもって無いんです。

でもだからこそ他の人とは被らない。みんなとは違うものがいい。ただそれだけだったのかもしれません苦笑。

耐久性が欲しければカリマーのクーガーを買う方が絶対に良いです。背面システムの快適性や耐久性は変わりませんし、実用性も機能性もレイドパックよりも上でさらに安い。クーガーの方が圧倒的に優れています。でもその選択に幸せはあるのでしょうか??

そんな幸せを求めてタスマニアンタイガー レイドパックを選んだのかもしれません。

 

ま、実用重視の人は間違っても軍用ザックなんて買っちゃダメです。

 

 

独断と偏見に満ちた総合評価:80/100

トランパーズさんへ

ケルティとバーグハウスの軍用部門の正規輸入代理店是非やってください!

いやあ今回は大変だった、って16000字越え?!こんな長文最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

ABOUTこの記事をかいた人

ストイックに理詰めで装備システムを構築する実用主義者。ponkyがデザイナーならSはエンジニア(B2は中間でバランス良い)。Sからすれば実用性第一で見た目は二の次のようだ。体力はないが、読図やロープワークは超得意。
イギリス生まれなのにアメリカ英語しか使えない日本育ち。