今まで5+1回に渡って投稿してきた『カランビットタイプのナイフつくってみた』を動画にまとめました。
はじめに
今回初めてのナイフメイキングということで、間違った手順や、アホなミス等色々とあるかと思います。その点ご理解頂いた上でご覧ください。。。
コンセプト
一般に武器という認識の強いカランビットですが、今回は武器としての用途ではなく、ユーティリティナイフとしての汎用性を求めた設計にしてみました。
端のリングに小指を入れることでホールド感のアップやこのように小指にぶら下げることで両手が自由に使えます。魚をさばく時など、便利かも?
設計からモック製作まで
まずはイメージを固めていく作業です。続いて方眼用紙に描いてバランスの調整です。木などの手軽な材料に書き写し、調整をします。
大まかな線はノコギリで切り取り、そこからはリューターを使用するとスムーズです!!
このモックを握ってみたところ、人差し指のところのくぼみ(フィンガーグルーブ)が浅いような感じがしたので、修正を行います。(上の図面が直したモノです。)
ボール盤での穴あけから切り出しまで
前回書いた新しい図面を元に鋼材を切り出していきます。我が家にはボール盤がありませんので、友人宅で作業をさせていただきました。
今回使用した鋼材はD2というステンレスと炭素鋼の中間のような鋼材(らしい)です。図面をコピーして鋼材に貼り付け…
外周をポンチで印をつけます。ボール盤で穴を開ける際も場所のズレを防げます!!
このようにボール盤で外周に穴を開けて…穴を開けた鋼材がこちらカランビットのリング部にはステップドリルというものを使用します。18mmの穴を開けるのは一苦労です。
プラスチックでも型を作っておきました。
ディスクグラインダーで外形を切り取ります。切り出すとこのような感じです。手削りの工程を減らすため、ディスクグラインダーで外形も整えます。この時、削り過ぎを防ぐために、マジックで全面を塗り、硬めの針で外形をけがいています。
側面の仕上げからグラインドまで
前回切り出したものの側面を綺麗にしていきます。万力に挟んで数時間ゴリゴリします。床には新聞紙を敷き詰めて、粉から床を守ります。
輪郭を少しづつ綺麗にしていきます…
ツライ…
ここで製作中の一本を少し風合いを変えて見ることにしました。上のもの方がカランビットっぽくクビレを作ってあります。
木の端材にボルトで固定してグラインドを作っていきます。少しづつ上げていくのが大事ですね(不精して色々面倒なことになりました….)
これからベベルを仕上げていきます
ダイヤモンドヤスリ等も使うとうまくいくようです。こんな感じで小指に引っ掛けて握ります。
この後オイルストーンで磨きます!!
部品製作から熱処理
前回までで大方作業が終わったナイフを色々と仕上げていきます!!
まずは購入した材料から紹介していきます。
- シュナイダーボルト(大)
- グリーンキャンバスマイカルタ
以上二点です。シュナイダーボルトはグリップを留めるのに使用します。
キャンバスマイカルタはグリーンなはずなのにグリーンじゃないですね…
こんなもんなのかな?友人宅でグリップの切り出し、6mmの穴あけをさせていただきました!!シュナイダーボルトで木材に固定して、磨いていきます。240番→400番→800番→1000番まで磨きました!!色々とミスが目立ちますが、ナイフらしいフォルムになってきました!!
早くグリップを付けたいですね!シュナイダーボルトを金のこを使って切っていきます。断面を綺麗にして、両側からm4ネジが使えるようにします。ドリルにセットして鉄鋼ヤスリで整えます。断面をドリルのビットを使い綺麗に処理しました。
そろそろ焼き入れです。タングの部分に鋼材名を書いて厚紙やボール盤などに挟みます。(熱処理前の鋼材は柔らかく曲がりやすいので注意が必要です!!
次は熱処理から帰ってきたものをご覧ください!!
酸化被膜削りからグリップ削りまで
ナニカが届きましたよ〜!!アーカンサスオイルストーンと焼き入れ済みナイフです!!酸化皮膜を削って…
固定してグリップに穴を開けます。
ここからジャストフィットになるよう削ります。
外周もノギスでパイロットラインを取ってから削っていきます!!
小柄ながらも握りやすくなりそうです!!
グリップエンド周辺を少し直しました。
友人宅でボール盤を借りてマイカルタを掘りました!!これでハンドルから出っ張りがなくなりました!!
完成です!!
製作を終えて
ボール盤とディスクグラインダー以外、特に特殊な電動工具無しにナイフが製作できたことに驚きを感じています。初めてではありますが、どうにか実用できるものが完成し、嬉しく思います!!
皆様も是非挑戦して見てくださいね!!
今回のナイフ製作はこちらの本の工程を見ながら作業をしました。
カイデックスシース作成
自動車や電車の内装に使われる素材で、アクリルと塩化ビニル(水道管の材料)の複合素材です。
整形のやり直しが何度も効くので失敗を恐れずにチャレンジしてみましょう。
使用したのはこちらのカイダックというものです。
作業工程
ナイフをマスキングテープで二重に覆います。その後外型をナイフ等で切り取ります。
マスキングテープは保護の役割と、完成時にシースとナイフが擦れてしまわないために使います。
サンドペーパー
60番
100番
180番
240番
400番
の順番で側面を磨きます。
続いてハトメを留める位置を決めます。テックロック等市販のロックを使用する場合は40mm程度の間隔でつけておくとアクセサリー類が使えます。
2mmのドリルで下穴を開けますその穴をガイドにして5.5mmの穴を開けます。塩ビ用接着剤を間に塗ります。
ハトメをうちます。足長というものを使用してください。
大体の形はできました。濡れタオルで形を変えたくないところをカバーすると、思い通りのフィット感を作りことができます。簡単でしたが以上カイデックスシースの作り方でした〜
プラスチックの整形ということで難易度が高く見えますが、簡単な作業で高品質なものが作れます。
是非チャレンジしてみてください!!