サバイバルナイフの考察

サバイバルナイフの考察  Apr.5

サイト管理者の友人Sです。

 

はじめに

今回はサバイバルナイフについて考えていきます。一般的にサバイバルナイフというとランボーナイフのイメージがつよいのですが、まずはサバイバルナイフの定義から考えてみましょう。

サバイバルナイフ、即ち生存するためのナイフということになります。定義はそれだけでしょう。ということはサバイバルナイフと一言に言ってもそのデザインは環境に大きく依存することになります。

熱帯地方ではマシェットが使われますし、環境が厳しくなって木が少なくなれば大きいナイフがあっても有効に使いこなせないので無駄になります。

また、使用者の個人的な好みや技術レベル、それに技術のスタイルといったものも大きく影響します。サバイバルナイフとして何を求め、何を選ぶかというのはどういう環境を想定しているかだけでなくその人がどんな人物であるかを表現してもいるのです。

誤解を防ぐために一点はっきりさせておきたいことがありますが、いわゆるサバイバルと最近流行りのブッシュクラフトは技術としてはかぶる部分も大きいですが、全く性格が違うことです。ブッシュクラフトには興味がないので歴史などは詳しくはありませんが、ブッシュクラフトというのはどれだけ少ないツールで自然から得られる資源を最大限活用して生活することができるかというミニマリズムを追求するスポーツです。

サバイバル技術は逆にどんな汚い手を使ってでも効率重視です。生存に有利になるなら何でもありです。とりあえずそこだけはっきりさせてから次に進みます。んなことわかってるよ、って人は失礼しました。

 

サバイバルナイフのコンセプト

さて、筆者の考えるサバイバルナイフについて語っていきます。私はサバイバルの専門家ではありません。ここでいうことは経験に基づいていますが間違っている可能性も十分ありますのであくまでも一個人の意見として考えてください。

 

私の住んでいる気候帯では想定する環境は温帯林ということになります。温帯林は一番生存しやすい環境です。それはサバイバルナイフを非常に有効に活用できるからです。砂漠や高山帯、極地なんかと比べるとはるかに簡単です。温帯林ではナイフを有効に使えるので通称長物とされる8インチクラス以上の大型ナイフが有効です。

温帯林におけるサバイバルナイフの最も重要な機能は工作機能と焚火です。即ち木材の加工です。もちろん他の細かい作業はやりづらくなります。でも大は小を兼ねるとなります。もっと正確に言えばすべてのツールは複合的に用途が絡み合って一つのシステムとして機能します。

だから小さいナイフと大きいナイフの両方でひとつのシステムとして機能します。また、木材加工という機能だけを見た場合でもナイフの大きさが有効になるのは基本的にバトニングであり、木の横方向の切断は作業効率を考えるとノコギリが必要です。

なのでサバイバルナイフとノコギリは必ずセットなのです。

結論、サバイバルナイフといっても単体では機能せず、サバイバルナイフとノコギリと小型ナイフの組み合わせでひとつのシステムなのです。そしてそれもほかの多くの装備と組み合わさってサバイバルキットという一つのシステムとして機能します。

 

ただしここで一旦サバイバルの発想を離れてみましょう。私はサバイバル環境に置かれたことはありませんし今後もそういう環境に置かれる可能性も極めて低いでしょう。サバイバルに近い状況を考えるとキャンプということになります。

ただし、ここで言うキャンプに重要なコンセプトは2つあります。それは人力移動と雪です。

車を降りてすぐキャンプサイトならば効率重視で考えるならばチェーンソーと大きい斧があればいいのです。ただし、人力移動ということはすべての装備を背中に担いで長距離歩くことなので軽量化がとても重要になります。大きいナイフとノコギリの組み合わせは人力移動できるくらい軽量なシステムなのです。

もうひとつの重要なファクターは雪です。積雪があると火起こしの難易度は一気に上がります。この難易度は火起こしのテクニック以外にも経験がある人ならわかると思いますが、雪が降っている森の中で唯一火をつけることのできるものは立ち枯れの木の中心部だけということなのです。それ以外は雪と接触している部分から水を吸ってしまって湿気ているので火がつかないのです。なので、雪の中で焚火をする方法はノコギリで立ち枯れの木を切り倒し、それをサバイバルナイフで細かく割って着火するしかないのです。火を起こすだけで非常にしんどいのです。

この時、一般的にサバイバルナイフの適正サイズとして言われている6.5~7インチクラスでも作業をこなすことはできますが、大型のナイフがあるとこのしんどい作業がより効率的になるのです。

 

具体的なスペック

では、サバイバルナイフとして具体的にどのようなナイフが求められるのでしょうか?

まず、サイズは自分の場合、ブレード長が8~12インチ、刃の厚みが3/16~5/16インチです。もちろんこれは個人の体格、体力や腕力にも大きく左右されます。大きくて厚い方がパワーもあって作業が効率的ですが重さがネックになり扱いづらくもなります。ここのバランスは人によって変わってくるでしょう。また、頑丈であることが必要です。鋼材の粘りが重要になります。エッジが土にあたっても容易に刃こぼれせず、鋼材がもろくなる低温環境でバトニングしても折れない強靭さがマストになります。もちろんエッジを土や石に当てたくありませんが人間はバカなので特に雪の中で行動して疲労が蓄積した状態では絶対ミスします。戻りますが、体力的に扱いきれないサイズの刃物は疲労がたまってミスをした時に大けがにつながるのでサイズ選択は注意が必要です。このような耐久性のある鋼材はだいたい炭素鋼の類に多いです。あんまり鋼材の話をしたくないので深くは突っ込みませんがメジャーなところだと1095、5160、高級なところでCPM3Vなどあります。ハンドルはマイカルタやクラトンなどがメジャーです。クラトンなどの射出成型のラバー系ハンドルはマイカルタ等と比べて衝撃を吸収する点で優れていますがフルタングの記事で指摘した弱点の存在の可能性に注意しましょう。

 

アックスという選択肢

大きい斧はナイフと比べると扱いが難しいです。技術が必要なエキスパート向けなツールです。それよりもネックになるのは重さです。重さに対するパフォーマンスを考えるとナイフとノコギリの組み合わせが上を行きます。また、使うときに安定した足場が必要になります。これは雪がある環境では踏みならす必要があるということなのでマイナスです。ただし、斧を使いこなせる技術があって担ぐだけの体力があればパワーもあるので武器になるでしょう。

ハチェット、トマホークなど小さい斧の場合はサイズ、重さ、パフォーマンスを見るとナイフとくらべても結構有効かと思われます。小さい斧はあまり経験が無いのではっきり言うことはできませんがナイフの替わりになりうると思います。個人的主観でしょうがナイフのほうがポイント、カーブエッジがある分汎用性があり、武器としても有効なので自分がナイフのほう好きなのかもしれません。おそらく好みとスタイルの問題と思われます。

 

最後に

以上、あくまでも個人的な経験に基づく意見です。皆さんも住んでいる環境に適切で自分のやり方にあうサバイバルナイフを見つけてください。また、例えば木を切り倒すだけの簡単な作業でもノウハウとテクニックがあります。そして、技術だけでなく、重い荷物を担いで歩き目的地に着いた後も作業するだけの体力も必要です。大きい刃物を振り回す時は常に危険が付きまといます。疲れてもケガをしないようにしなければなりません。サバイバルナイフは所有するだけではダメで有効に運用するだけの技術と体力が必要です。筆者も人のことは言えませんが日頃からのトレーニングが重要になります。

 

最後に私が個人的に使っているナイフやノコギリの一部を紹介します。レビューほどしっかりしたものではありませんが参考にどうぞ。

 

サムライ 一撃 C-330-LH 評価10/10

切り口の綺麗さなどどうでもよかったのであさり付きのこのモデルをチョイス。曲がり刃がよく切れるが特徴として先の方から摩耗していく。300㎜のモデルを買ってもよかったと感じているが買ったときにアマ〇ンに出品が無かったのでこの長い方になっただけである。

レビューはこちら

 

TOPS Armageddon 評価9/10

リナルディさん((このナイフのデザイナー))、よくやった、このナイフ気に入った。何年もつかって酷使しているので摩耗しているが気に入っているので手放す気は全くない。リカーブ((曲線を描いた刃))のきいたパワーのある重量級のナイフである。TOPS((アメリカのナイフメーカー。熱処理の良さが有名だが価格帯は高め。))なのでコスパは最悪である。1095((炭素鋼の1つ。比較的安価))のくせにこの値段。でも熱処理は非常に素晴らしい。付属シース((鞘のこと))は最悪である。決してナイロンシースがダメと言ってるのではなくスナップじゃなくてベルクロなのがダメである。むしろナイロンシースのほうが軽量なので用途に適しているかもしれない。カイデックス((シースの素材の一種。熱可塑性の合成樹脂板で加熱して簡単に整形できる。外観もかっこいい。))だとククリの重さにかなり近づいてしまう。それにしても根本にいくほどグラインドが鈍角になる無駄なデザインの意味が分からない。カスタム版((元々リナルディさん作のカスタムナイフだったが、TOPSが工場生産品として少し仕様の違うものを販売している。))はFFG((フルフラットグラインドの略))なのに。

 

ColdSteel Gurkha Kukri Plus 評価9.5/10

ククリです。たたき切ることに関しては恐ろしいパフォーマンスです。それにしてもなんで重くなるヒルト付き((ブレードとハンドルの境目の棒みたいなやつ。刺す動作をする際などに手が刃に当たらないようにするためのもの))のプラスモデル買ったのかよくわからない。まあ期待通り重量級。ザックに入れてあるくのが億劫である。コルスチ((コールドスチールというナイフメーカー))はなんでコーティングしてくれないんだろう。買ったらコーティングかけるの面倒だし金かかる。こいつはセラコート((主に銃器に使われる耐摩耗性の高いコーティング))かけてます。シースはよくできている。大きく湾曲したブレードなのにさすがだ。この手のFRN製のシースはカイデックスと比べて軽いのもいい。まあよくできたククリです。たぶんカピバラの首切り落とせます。所有欲満たします。ここ数年で値段が上がっているので残念ながら現在コスパがいいとは言い難い。

Ponky
サバイバルナイフというのは一本と考えるとなんでも中途半端にこなせるものになってしまいますので、小刀と大型のナタが私としては好きです。
小刀の方は好きに選んで問題ないのですが、大型のナタ(もしくはナイフ)は衝撃を伝えやすいポイントへヴィが使いやすいですね。具体的には500g後半が私は好きです。重量を増す方法としてはブレード厚を上げるよりも刃幅を増す方が鋭角を保てるのではと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

S

ストイックに理詰めで装備システムを構築する実用主義者。ponkyがデザイナーならSはエンジニア(B2は中間でバランス良い)。Sからすれば実用性第一で見た目は二の次のようだ。体力はないが、読図やロープワークは超得意。
イギリス生まれなのにアメリカ英語しか使えない日本育ち。