スント MC-2 G レビュー

マスターキートン専用 Jan. 17, 2018


サイト管理人の友人Sです。スントのアウトドア用コンパスの最高峰、MC-2 Gなんですが、近いうちに売却しようと思ってるので(売却しましたありがとうございます)手放す前に簡易レビューです。普段のレビューと違って入念なテストはしてませんので参考程度でお願いします。

今回は簡易レビューということで省略も多いので詳細な機能説明はこちらの記事もあわせてご覧下さい。

スペック

スント MC-2 G
種類:ミラーコンパス
ミラー収納時の寸法:約65㎜×102㎜×厚さ18㎜
ベースプレート:約65㎜×98㎜×厚さ4㎜
カプセル径:約44㎜
重さ:69g
角度単位:度

針対応地域:全世界対応
針精度:2°
分解能:2°
使用温度域:-30~60℃
針機動性:安定まで最大約3秒

目盛り:
・㎜定規
・インチ定規
・1/25k及び1/50k目盛り

機能:
・クリノメーター(精度・分解能:2°)
・偏角補正機能
・宝石軸受け
・夜光
・すべり止め
・ルーペ

スペック欄がこんなに長くなるのも珍しい。。。。

バリエーション

※デバイスやブラウザーの現在地設定が日本になっているとリンクが開けない可能性あります。

国内流通あり

MC-2 NH:北半球モデル

国内流通なし

MC-2 SH:南半球モデル

MC-2 NH USGS:北半球モデル、マイル目盛り

MC-2 G USGS:全世界モデル、マイル目盛り

MC-2 360 IN D NH :北半球モデル、夜光無し、マイル目盛り

MC-2 360 D CM IN NH:北半球モデル、夜光無し

軍用

MC-2 G 6400:全世界モデル、ミル度数リング

 

レビュー

スントの上位モデルですから超優秀で使いやすいです。偏角補正機能やクリノメーターからすべり止めの足まで機能満載ですが、そういった多くの上位モデルに広く採用されてる細かい機能についてはこちらの記事で説明していますのであわせてご覧ください。今回は簡易レビューなのでMC-2 G特有の特徴で気になった点についてのみ見ていきます。

良い点

・針の機動性が高いです。

軸受けなのか針なのかカプセル径が大きいからなのか理由はよくわかんないですけど針の動きがすごく良いです。動きも速いですし安定性も高いです。普通このレベルのサイティングコンパスの針ってもっとジワ~っと重圧な動きするんですけどMC-2は動きがホント軽いです。特に一旦北を向いた後の振れがほぼ無いのが素晴らしい。逆に針精度は2°とサイティングコンパスにしては少し低めです。ミラーコンパスの計測精度を考えると針精度2°は多くの用途でそれほど大きな問題ではないのでしょう。スントによると針の対応地域に関わらず針の機動性は変わらないとのことですがNHモデルを持ってないので直接比較して確認はしてません。針精度が全世界対応だと2°なのに北半球モデルだと2.5°なのが興味深いです。

・ベースプレートの表記がわかりやすい

あくまでも筆者の主観ですが、今まで使ったコンパスで一番わかりやすいです。両サイドはインチ目盛りと㎝目盛りといういつも通りの奴なんですけど、1つの大きなL字目盛りに1/25kと1/50k両方の縮尺をまとめてるのでゴチャゴチャしてません。さらに、L字型目盛りの延長線がそのまま矢印平行線になってるシンプルさがすごく使いやすいです。まあベースプレートの評価なんて好みによる部分が大きいんですけどね。

悪い点

・角度設定がやりにくいです。

偏角補正機能付きなので度数リングが不透明ってのもあるんですけどそれ以前に基準線に問題有です。MC-2にはミラー側のメインの基準線と反対側の補助の基準線の2つがありますが、メインの基準線は度数リングと微妙に隙間が空いていて目盛りを合わせにくい、反対側の線は太すぎて細かい目盛りに合わせにくい、とどっちも使いにくいです。そして何よりも気に入らないのが普通のシルコンと違ってバネのテンションがかかってないのでカプセルが横方向にガタつく。まあ、そのズレは1°分くらいなので針精度を考慮すれば実用上問題ありませんが。

・夜光が暗い。

シルバなんかと比べたら夜光は全体的に暗めです。暗めといってもシルバと比べてであって別に実用上問題になるほど暗くはないですが、ひとつだけ致命的な問題がありまして、なぜか針だけ夜光がすごく暗いんですよ。度数リングや基準線が光っても針が光んなかったら使えなくねか??まあ筆者は夜光使わないので別に困らないんですけど苦笑。たまたま筆者の個体だけ針が暗いのかはわからないです。他にもMC-2持ってる方いましたらツイッターで是非教えてください。

 

競合モデル

多分一番競合としてふさわしいのはシルバのレンジャー515CLです、というかMC-2と現行の515さすがに似すぎやろ。ベースプレートとかカプセルとかほぼ同じやん。アメリカ国内でのシルバの商標はめんどいことになってるんでスントのOEMって可能性は十分あり得ます。どちらにせよ国内入手性は絶望的なので保留。

https://www.austinkayak.com/products/3929/Silva-Ranger-515-CL-Compass.html

その次の方ほにはあの有名なシルバのタイプ15があがりますかね?画像さがすとなんと1940年くらいのが出てきした。現在は後継のタイプ16もあるみたいです。でも民間用のラインナップからは落ちて今は軍向けしか残ってないので流通はあまり期待できません。というわけでこれも保留。

http://www.myshica.com/?pid=106597389

つうわけで今、日本国内での実質的な競合機種はこいつだけです。

シルバ エクスペディションS

http://silva.se/product/compasses/compasses-outdoor/expedition-s/

MC-2と機能はほぼ同じです。どっちを選ぶかは好み。

ちなみに筆者の友人Nの場合はアンチ巨人でオレンジの山道具は絶対買わないので選ばせたら多分スント即決です笑。

 

まとめ

MC-2はアウトドアやってる人が作ったんだなあってすごい感じました。クリノメーターとかついてるあたりからしてフィールドワークや簡単な測量が主な用途なんでしょうけど、山や森の中をガンガン歩いたりする使い方を想定している味付けになっていると思います。特に針なんかは絶対的な精度よりも機動性と安定性重視に振ってますし。そうは言ってもミラーコンパスなのでもちろん普通のシルコンよりも精度は高いですけど。

道なき道をスピーディーに移動して発掘現場についたら簡易測量をこなす。。。

要するにマスターキートンのためのコンパスってことか!!

SAS上がりの考古学者(仮)がいかにも持ってそうなコンパスです。

 

独断と偏見に満ちた総合評価:90/100

 

 

 

ABOUTこの記事をかいた人

ストイックに理詰めで装備システムを構築する実用主義者。ponkyがデザイナーならSはエンジニア(B2は中間でバランス良い)。Sからすれば実用性第一で見た目は二の次のようだ。体力はないが、読図やロープワークは超得意。
イギリス生まれなのにアメリカ英語しか使えない日本育ち。