最強ナイフの虚言ーナイフ選びの大前提

意見ってのはケツの穴と同じだ。誰だって持ってる。 Feb.1,2018


サイト管理人の友人Sです。今回は自分への戒めの意味も込めてあくまでも当たり前のことを言いたい放題書いただけですのであんま真面目に受けないで下さいね。

“オススメナイフなにかありますか?”

“このナイフいいよ”

“このメーカーはクソ”

一般的に言うと、あくまでも一般的にですよ、ナイフの経験が少ない人ほど特定のメーカーやモデルを贔屓したり否定したりするものです。“初心者”ほど“良いナイフ”の概念が固定されています。あるメーカーのナイフを初めて買ってそれがすごい良かったり悪かったりする経験があると特にそうです。好みがあることは良いんですけど、良いとか悪いとかって言いきることは絶対できないんです。刃物文化の良さ、いや、刃物に限らずすべての趣味で重要なことは多様性なのです。なんでAGECアウトドアに3人もライターがいるかと言えば、それぞれ全く違う視点を持ってるからです。例えば、筆者Sにとっての“良いナイフ”とPonkyにとっての“良いナイフ”なんてのはいつもほぼ真逆です。なんでかと言えばナイフに求めてるものが違うのです。ナイフ好きであるならば、どんなナイフを選ぶのかはその人個人の性格や生き方が色濃く出るものです。

筆者はアウトドアユーザーです。どこまでも実用ユーザー視点です。ちゃんと機能することがそのままそのナイフの魅力になるんです。理詰めで装備システムを組み立てていきますから絶対的なパフォーマンスをどうしても重視しますし、そういうナイフを選んで使うのが自分らしさの象徴でもあるのです。Ponkyは筆者よりももっとナイフの趣味性やロマンと言った部分を重視します。カリをやってるのでファイティングナイフの理解もあります。デザインの勉強もしてますし、ナイフメイキングを通してナイフ文化に触れています。だからPonkyが好きなナイフはすごくPonkyらしいのです。やっぱりなんだかんだでB2が一番バランス良いんですよね苦笑。

 

ナイフについてまだあまり知らないいわゆる“初心者”ほど、どういうナイフが何が良いナイフなのか、何がベストで最強なのかという問いに対する答えを知りたがります。だから“最強ナイフ”の記事が人気あるんです。例えばフルタングのナイフが一番強いから良くて、鋼材はこれがベスト、このメーカーが良い、みたいな答えが欲しいんです。しかもネット上には嘘の情報がいっぱい転がってます。何も知らないんだからはっきりした回答を欲しがるのはしょうがないんです。でも上に述べたように何が良いナイフかなんて聞く人が違えば全く違います。何よりも重要なのは自分はナイフに何を求めるかなのです。そこは自分にしかわかりませんし、良いナイフなんていろんなナイフに触れて自分なりに考えるしかないんです。だからこそ、筆者はアウトドア用の実用ナイフについてしか上手く書けませんし、そういう記事でもできるだけ各個人が自分の使い方に基づいて思考することを促すような記事を書くことを心がけています。そのあたり上手くいってるかは知りませんけど苦笑。

“Sのオススメのナイフなに?

こう聞かれたら、まずそれは実用したいのか聞き返します。もし実用ならそりゃ優秀な実用ナイフをいくつか勧めますよ。いい道具をたくさん使い倒すことで何が使いやすいデザインなのか段々わかるようになるからです。でも実用ナイフなんてものは個性とか面白味は何もないです。良い道具は使い手に追従するのであって自己主張するナイフなんて使いにくいだけですから。だからこそ、実用を求めないならガッツリ実用のナイフなんてオススメしません。なんでも良いから好きなナイフを買えって言います。自分の感性にピーンと来たナイフ買えって言います。他人の感性なんかあんまあてになりませんし、他人基準の“良いナイフ”を買ってもなんか納得できないこともありますからね。実用なら何が良いのかある程度は議論できますが、実用じゃないなら感性の話なのでほぼ議論できないのが難しくてかつ面白いんです。

今までやすっちいナイフ買ってきて初めてベンチメイド 940オズボーン買ってみたらすごい良かった!今までやすっちいナイフばっか買って金無駄にしてきたよまったく。またベンチメイド買ってみたいんだけどなにがオススメ?

こんなこと聞かれたらベンチメイドなんて買うなって返します。ここでベンチメイドをまた買うとファンになると思います。何買うかなんて自由なので別にそれでも良いんですけど、ナイフ文化の良さは多様性にあります。視野を広げるためにも次の一本は別のブランドを買うことを絶対勧めます。だってファクトリー見ただけでもいろんなブランドがあるじゃないですか。

スパイダルコのイメージは?

→イノベーション。CQI。グレッサー親子。

ベンチメイドのイメージは?

→クオリティ。スムーズさ。アクシスロック。

コールドスチールのイメージは?

→リン・C・トンプソン。えげつなく頑丈。でっかい刃物。

これやるといくらでも続くのでこれくらいにしとくとして、市場にいろんなナイフがあります。高コスパのカーショーの気分の時もあればとにかく高品質なクリス・リーヴの気分の時だってありますよね?結局最強のブランドなんて無いんです。糞ナイフで有名なS&Wですら存在する意義はあるんです。例えば10歳くらいの子供がナイフに興味持ったとするじゃないですか。でも小遣いすくないから初めてのナイフで高いナイフ買えない。でもいわゆる糞ナイフなら買える。ナイフに興味を持ってこの趣味に入っていくには良いじゃないですか。

 

どんなに低品質の廉価ナイフ、(正しいかどうかは別として)コピー品ですら存在価値はあるんです。それを買う人がいるからです。だって2000円のナイフと2万円のナイフでそんなに切れ味違いますか?そりゃあ切れ味が持続するかとかは良いエッジが付くかとかは違うと思いますが、どちらもきちんと研いであれば物を切ることはできます。高いナイフは期待値が高いのでパフォーマンスも良いですが、驚きなんかは無いです。でも安いナイフは期待値が低い分評価が上方修正しかないです。最強のナイフなんてのは何かを切らなきゃいけなくなった時にちょうどポケットに挿してあってすぐ出せるナイフです。ナイフの購入者層を考えてみてください。3千円のナイフを買う人はたくさんいますけど、5万円のナイフ買う人なんてのはいわゆる“ナイフ好き”のほんの僅かな一握りでしかないんです。そんなこと言ったらみんなが買ってるナイフが最強です。

高級ナイフはみんなあこがれたりする分、注目や関心が集まりがちです。それと比べて安いナイフは糞みたいな扱いする人もいますけど、結局こんなナイフ糞だしって言う奴はそのナイフ買わないんです。作り手、売り手側からすればそんな人は顧客じゃないからどうだっていいんです。それよりは実際に買ってくれる人の方が大事じゃないですか。だから特定のナイフやブランドをどうこう言っても実はあんま意味が無いんです。だってそれはあくまでもあなたにとっての“良いナイフ”じゃないんでしょ?

Ponky
Sの言ってることももちろんわかります。ただね、同価格帯でも品質の低いナイフ、高いナイフってのはあると思うんだよね。こういうサイトに求められるのは、同じカネ払うならオレと同じ失敗すんなよ。っていう先輩からの意見なんじゃないかなって思う。私が他のサイトのレビュー見るときも、失敗だったわ。。とか言ってたらそりゃ避けるよね。そういう役割をできれば。。と思っています。

ナイフの性能ってなんですか?

なんか頭良いの定義って何ですか?に近いですね。高性能なナイフってのはパフォーマンスが良いナイフのことだって言うのは頭が良いことは偏差値が高いことだって言うのに近いです。実用的であることも性能であれば、所有欲を満たすことも性能。良い素材を使ってて加工精度が高いことも性能ならば低価格であることも性能。はたまた、大きくて重いのが性能であるならば、小さくて軽いこともまた性能。“良いナイフ”って何?って言う問いは

あなたはどの性能を重視しますか?

っていう問いでしかないのです。他人の“良いナイフ”観がいかにあてにならないことか。凝り固まってる人ほど困りものです。本当のナイフ好きはナイフをオススメするときにその人の視野を広げるナイフを勧めます。その人にとって新しいメーカー、新しい分野、新しい世界観、どんどん多様化させていくのが楽しむ秘訣です。カスタムナイフの存在意義なんてわりとそこ大きいじゃないですか。

みんな他人の意見を気にしすぎです。

自分の金なんだし好きなもん買えばいいんですよ。他人が何を言おうと結局楽しんだもん勝ちじゃないですか。

だからひとつ覚えててほしいのは、

他人の言うことなんて自分で100%納得できるまでは全部疑ってかかれ!

ネットなんか嘘だらけです。ヤフー知恵袋なんてホントひどいじゃないですか笑。このサイトでだってそうです。情報が正しい保障なんて何にも無いんです。事実についてすらこんなややこしいのに意見ともなると本当にわかんないもんです。特に筆者なんかは今までのアウトドアでの経験がすごく色濃く出てます。これはあくまでも筆者自身の限られた経験です。こうやって“自分らしさ”が出来上がっていくんです。だからこそ、いわゆるナイフ好きの中ではかなり偏った好みと意見を持ってます。実用に関する意見ですら人によって、環境によって好みや技術は変わってくるものです。意見を鵜呑みにすることほど危険なことはありません。だから何を言われても一番最後まで信じられるのは自分だけ。例えそれがナイフ界の重鎮の意見であっても。

Ponky
最後にひとつ。いやぁ。。いい記事でしたね。このサイトに来てくれる人の多くは、最強ナイフだったりフルタング最強!! だったりそういうキーワードで来て下さるんですよ。まずはサイトにアクセスしてくれたことに感謝なんですが、最強とかそういうのは状況によっていつでも変わるんです。Sの言葉を借りると“ちょうどポケットに入ってるナイフ”それが最強なんです。そのポケットに何を入れるかってのは以前まとめましたのでご参考までに。。

ABOUTこの記事をかいた人

S

ストイックに理詰めで装備システムを構築する実用主義者。ponkyがデザイナーならSはエンジニア(B2は中間でバランス良い)。Sからすれば実用性第一で見た目は二の次のようだ。体力はないが、読図やロープワークは超得意。
イギリス生まれなのにアメリカ英語しか使えない日本育ち。