スパイダルコ パラミリタリー2 レビュー

優等生 Apr.30,2018


今回からBlade HQに画像提供の協力をいただくことになりました。Thank you so much for your cooperation, Ben!

今日もAGECアウトドアにアクセスしていただきありがとうございます。サイト管理人の友人Sです。写真がきたねえと言われ続けてそこは自分でも認めるので今回から写真撮影は主にPonkyが担当してくれることになりました。THX!

さて、今回は前置き抜きで本題に入りましょう。このparmilitary2ですが、筆者のナイフではなく、B2の所有物です。レビューのためにしばらく借りています。いやあ、返したくねえわ笑。

 

パラミリタリー2はナイフ専門店で最も売れているナイフです。あまりの人気のために需要に供給が追い付かず、入荷してはすぐに売り切れるというという状態が世界各国のナイフ専門店で起こっています。生産が追い付いていないが故に入手が少し大変なナイフです。

優秀なナイフはたくさんあります。コスパが優れているナイフ。道具として優秀なナイフ。所有欲を満たすナイフ。などなど。

優秀であるというのはある特定の人たちから見たときに魅力があるということです。世界にはたくさんのナイフ好きがいます。世の中のいわゆる“優秀なナイフ”の多くはたくさんいるナイフ好き達の中のごく限られたほんの一握りの人たちに高く評価されます。しかし、パラミリタリー2はそれらとはちょっと違います。パラミリタリー2は他のナイフと比較して遥かに多くの人たちに高く評価されています。言い換えれば、優れた工業生産品。すなわち、

商品として優秀

ナイフ好きという人種をひとつの集団として見た場合、パラミリタリー2は万人受けする極めて大衆向けな商品なのです。パラミリタリー2の価格帯のナイフ、さらにそれ以上の価格帯のナイフは人によって好き嫌いがはっきり分かれる、いわばマニア向けのナイフが大多数です。その中でパラミリタリー2ほどたくさんの人を魅了するナイフというのはそれほど多くありません。多分他にはベンチメイド940シリーズくらい?

単純に優秀なナイフというよりも優等生という感じです。

実際、パラミリタリー2ばっかり集めてる人もたくさんいます。前期型と後期型、それぞれのスプリントラン(限定モデル)もあわせれば2018年現在までに、全部で35種類以上のバリエーションがあります。さらには、ハンドルスケールやバックスペーサーなど、サードパーティーの製品も多いです。bladeHQknife banterでこんなのがでちゃうくらいですから。

 

さて、何がパラミリタリー2をここまで大ヒットさせたのでしょうか?

“優秀な商品”に共通すること、それは

1st cool2nd cool

の両方を兼ね備えていることです。

1st cool、即ち機能的価値はナイフとしての純粋な機能性です。パラミリタリー2はとても使いやすい優秀なナイフです。さらに、3.5インチクラスという多くの人にとっての“ちょうどいいサイズ”。後でしっかり見ていきますが道具としてはすごく優れています。でもそこはまあ普通なんですよ。大事なのは2nd cool、情緒的価値と両立していることです。だいたい“良いナイフというのは”この2つのうちのどっちかが強いことは多いのですが、どちらも高い水準で実現するナイフとなるとそれほど多くありません。

さて、この2nd coolとは何でしょうか。一言に情緒的価値と言っても個人的な思い入れや時代性や世代を通じて出てくるものもありますが、ここでは大衆を対象として考えてみましょう。ここで大事なことは消費者にとって“いいもの”だと思わせることです。

①カッコいい

まず、名前がカッコいい。パラミリタリー2って響きがやっぱ良いです。そしてその名前のカッコよさに見合うデザイン。

 

デザインの話なんて筆者がするべきじゃなくてPonkyとかがした方が絶対に良いと思うのですが、パラミリタリー2って形が良いと思うんですよね。誰が見ても外見が良いと思います。外見の好みとなると評価が真っ二つに分かれるようなナイフは多いのですが、こいつは万人受けすると思います。優等生です。

そして、2009年からミリタリーと同時に追加された迷彩G10ハンドル。パラミリタリー2って名前にもピッタリです。男なんてみんな精神年齢8歳なんでこれに食いつく人は結構多いんじゃないですかね?

 

この頃、エンデューラ・デリカがFFG化して多色展開になったりとある意味スパイダルコの次の時代への転換期だったのですが、それでも迷彩G10はかなり大胆です。当時の迷彩ハンドルというとSOGとlonewolfT2くらいでどっちもFRNハンドルだったですし、G10ハンドルのナイフも黒ばっかだったのである意味画期的だったと思います。

②クオリティ

まず、材料がお高級です。S30VブレードにG10ハンドル。ナイフにちょっとでも詳しければこれらは実用ナイフとして最高の組み合わせの一つだとわかります。でもそんなことは“ハイクオリティ”の大前提です。

ゴールデンの本社工場で作ってるんで加工精度が高いです。刻印だってタングスタンプとか消えかかった薄いレーザー刻印なんかじゃありません。濃くはっきりとレーザー刻印されてます。同じスパイダルコでもGサカイで作られてるものは生産性とコストのバランスを取ってます。なのでグラインドがわずかに左右非対称だったりG10の面取りがわずかに偏ってたりとかします。もちろん、道具としてはそんなこと実用性に影響ないので何ら問題ないのですが、“フォールディングナイフ”として、趣味性というものを突き詰めればやはりその辺の細かいところが大事になるもんです。その辺を突き詰めればこいつとかになるんですけど。

そしてここで言いたい“クオリティ”は単純に品質が高いことだけではありません。大事なのは消費者が感じる“クオリティ”です。ここで非常に重要なファクターは価格です。bladeHQで$136.47、国内価格も¥17kほど。あれ?確かに高いけどそんなに高くない?

5万のナイフをポンと買ったりするナイフ好きはかなり少数派で、ナイフ好きの大多数はもっと低価格帯がメインターゲットです。そういった多数派にとって所有欲を満たすだけの高級感を演出しながら、貧乏学生でも頑張れば手が届くくらいのこの絶妙な価格設定がたくさんの人に“これは買おう”っていう気にさせます。

③アクション

コンプレッションロック。これが楽しいんですよ。ロックバーのところをつまめばブレードがフリーになるのでベシベシ振って開閉できて楽しいです。周囲の人間をウザがらせるには最高の機能です。こういう部分はベンチメイドがアクシスロックで楽しさを出すのが上手かったんですけど、その楽しさを上手くパクった再現した蜘蛛さん。

さて、ここで気になるのが刃厚で、蜘蛛さんにしてはちょっと厚めです。いつものスパイダルコの設計思想でいくと、強度だけ考えれば刃厚3㎜で十分なはずなんですよ。特にパラミリタリー2はポイントが細くて強度がそもそも高くはないので刃を分厚くしても強度面でそんなに恩恵は無いです。スパイダルコの意図は多分ブレード重量を上げることではないのでしょうか?

ベシベシ振りまくって開閉して遊ぶならあんまりブレードが軽すぎてもスカスカな感じがするだけです。そこんところを踏まえて実用性とのバランスも見ながらちょっと厚めのブレード厚を設定したのではないでしょうか?

④コレクション

パラミリタリー2は優秀なナイフです。欲しくなります。買います。また欲しくなります。買います。また欲しくなります。買います。。。。。

最初の方でも述べたように数多くのスプリントラン、フライテニアム等のサードパーティー製品が豊富なのでこのサイクルが途切れることなく続けられます。コレクター心理を上手くついています。

でもこれ見てみて下さいよ↓。所有者は人生楽しそうですよ?パラミリタリー2というナイフが好きかどうかは別としても人生に喜びを与えているのを見ると良いじゃないですか。財布にはよろしくないかもしれませんが苦笑。

spyderco forum

https://www.youtube.com/watch?v=hHHr1uqMU3g

https://www.youtube.com/watch?v=e-gTavOiB8s

 

 

 

眺めて良し使って良し遊んで良し、そして所有欲を満たす。即ち、神経を全て刺激する。
よくできた商品です。

出回っている偽物の数が皮肉にもそれを裏付けています。

 

スペック

Spyderco Para-Military 2 
全長:約210㎜
刃渡り:約88㎜
刃厚:約3.7㎜
ハンドル厚:約11.5mm
重量:107g
鋼材:CPM S30V
グラインド:FFG
ロック:コンプレッションロック
ハンドル材:G10

これは第2世代(2010-)のモデルで、同じパラミリタリー2でも第1世代(2004-)↓とは少し違います。第1世代はミリタリーと同様のクリップ、第2世代では、デリカ等の他モデルにも採用されている“hourglass(砂時計型)クリップ”と呼ばれる現在のスパイダルコ標準のクリップに変更しました。第2世代にモデルチェンジした際にブレード厚は4㎜→3.5㎜に変更、しかし他の寸法は数㎜ずつ大きくなりました。正当な進化です。

https://workingperson.com/spyderco-knives-paramilitary-plain-edge-folding-knife-c81gp.html

で、第2世代のブレード厚のスパイダルコ公称値は3.5㎜なんですけど、それにしてはなんかちょっと分厚いなって感じがしてたんですよね。実際測ってみると3.7㎜くらいありました。多分鋼材がインチ規格で販売されてるってだけのことでしょうけど。

パラミリタリー2の数字”2”は普通ならそのモデルの何世代目かを示す数字ですが、パラミリタリー2の場合はちょっと特殊で、モデルの系譜として、C36ミリタリー C81パラミリタリー2 C223パラ3とC-SKU(スパイダルコC系列モデルナンバー)の異なるモデルで展開していったことを示しています。もともとはミリタリーをベースに2/3のサイズとして設計されました。

この辺の詳細はSpydiewikiをご覧ください。

用途

十分に軽量で操作性も良し。

まず第一にタクティカルフォルダー。ハンドルのトラクションがありますしエッジが細くてポイントもとんがってるのでズタズタ切り裂く精密な武器としてのパフォーマンスと一般的な作業での実用性のバランスをうまく取っていると思います。十分に軽量なので兵隊さんやお巡りさんの重い装備でもシステムに組み込むことが可能です。

あと、EDC。薄くて軽くて携帯性もよく、尖ったポイントは爪の下ほじくったり細かい作業にピッタリです。ちょっと大きいと感じる人も多いですがそういう人のためにはパラ3があります。

軽い部類だとは言っても100gオーバー。アウトドアにはちと重すぎですね。まあ、できなくはないけどあえて選ぶ理由も全く無い。軽量化を攻めなくてもいい場面なら良いんですけど、特に人力移動だったらもっと軽くて実用性を追求したモデルを選びます。具体的に言えばもっと趣味性を棄てたエンデューラ4FFGとかマニックス2LWとかAEGISとかですね。それでも実はグリップティリアンより軽いんですよね。。。

ブレード

本題に入る前にちょっと気になったこと。ブレードにサル・グレッサーとエリック・グレッサー両方のロゴが刻印されているんですよ。Spydiewikiではサルのデザインとなってますが、第2世代の時にエリックも関与したのかもしれません。詳しい方いらっしゃればツイッターで是非教えてください。

Golden, Colorado U.S.A. Earth

地球で製造されましたよアピール笑。ゴールデン工場製のスパイダルコはこのような製造地の刻印が入ります。“地球”まで表記する理由として、スパイダルコ ワーカーがボイジャー2号にゴールデンレコードとともに搭載されていて、それ以来の伝統と言われています。

ブレードはモディファイドクリップポイント。エッジはスパイダルコのリーフブレードに見られるような一様な緩やかなカーブを描いています。モディファイドクリップとリーフのいいとこ取りですね。根本から先端まで綺麗にテーパーがかかっていていかにも使いやすそうな形してます。

特に特徴的なのがこのとんがったポイント。他の一般的な実用フォルダーと先端を比べるとだいだい2/3くらいの角度しかありません。なので貫通力は高いです。使い切ったスプレー缶に穴をあけるのがちょっと病みつきになります笑。ポイントを缶に押し当ててハンドルエンドを軽く押すだけでブスっと気持ちよく刺さります。ポイントを使った細かい作業もしやすいです。ただ、その分強度も低いのでちょっと気を使います。その辺はトレードオフです。

ブレードはスパイダルコの実用重視のモデルにしてはちょっと厚めですが、FFGなので食い込みやすさはバッチシ。

サムホールはジップタイつけても一か所にとどまらずに動いてしまうのでWAVEは機能しません泣。穴の周りのハンドルのクリアランスも十分でオープン時のアクセスもノープロブレム。

キックが非常に顕著ですが、これはダイアレックスデザインのスパイダルコ ジュニアで多くの人が指摘した、折り畳み状態でコンプレッションロックを操作するときに指が不用意にエッジに触れてしまう問題を回避するためでしょう。

あと、細かいところですが、折りたたまれた状態で輪郭のラインを乱さないために削られたタング。これ、オープン状態ではちょうどライナーの間の凹みになってライナーのジンピングが指に食いつくようになってます。感心感心。

鋼材はCPM-S30V。えーっと、、、これ説明する必要ありますかね?優秀な高級鋼材です。まあ、はっきり言って、インコシで使われていたCPM-S35VNとの違いなんて使ってるだけじゃまずわかりません。一般的なフォルダー用としてはバランスがとれた優秀な鋼材だと思います。

この個体は切れ味が落ちるまでテストしましたが、オーナーの意向で研ぎなおしていません。で、ハンドルのG10は表面が少し摩耗して使用感があるのにエッジはなんとファクトリーエッジがまだ残っています。今までにちょっとタッチアップされているだけで、このナイフが製造されてからここで初めて研ぎなおしが必要なレベルまで切れ味が落ちたということです。前オーナーがどう使っていたかはわかりませんがなかなかすごいと思います。

JIMPING! スパイダルコのジンピングはいつもパーフェクトです。上下両方からブレードをがっちり指で固定してコントロールできます。指の位置がエッジにすごく近いところで握れるので細かい作業での操作性もいいです。

ハンドル

この迷彩G10が名前にマッチしていてやっぱりカッコいいと思います。

ハンドルはニュートラルでどう握っても快適です。この辺りは蜘蛛さんいつも通りさすがです。ただ、他のモデルよりも少しだけ角ばっている感じがするのが少し気になりました。他モデルと比較しながら注意深く検証してみると、チョイルを使わずに普通に握ったときに、他モデルでは中指がフィンガーグルーヴの凹みにあたりますが、パラミリタリー2の場合は中指がハンドルの膨らんだところに来て、筆者の手に上手く合わないみたいです。注意してないと気付かない事だったのでそれほど大したことではないですが、この辺は人によって全然違うと思いますので気になる人は一度実物を握ってみると良いでしょう。

スパイダルコの実用モデルをいろいろ見てみると、共通していることが一つあります。ブレードに対してハンドルを少し下げた角度にしています。普通にナイフを握って使うときの手首の自然な角度を考慮しているのです。この角度に関して何が良いかはかなり面白い議論になると思いますが、スパイダルコの実用性に関するCQIはいつでも感心します。まあ、他のメーカーもやってはいますが。

パラミリタリー2のハンドルを見ているとタクティカルフォルダーであることをすごく実感します。まず、当たり前ですが、G10スケールにトラクションがあって滑りにくいです。でもそんな事はタクティカルナイフとしての大前提の必須条件です。

パラミリタリー2で凄いと思ったのはハンドルを小指でしっかりと握り込めることです。剣道の経験者などはなんとなくわかると思いますが、ナイフコンバットにおいてナイフを小指側で握りこむ流派は非常に多く、蜘蛛さんもそれをきちんとわかってやっていることでしょう。

大きく肉抜きされたインセットライナー。ゴミがたまらずに抜けていくバックスペーサー無しのフロースルーデザイン。

コンプレッションロックなので完全ライナーレス化はできませんが、片側ライナーでも良かったと思います。その辺の詳しい議論は別の記事でまとめていますのでここでは省略。また、強度や軽量化ということ以外にも素材の特性を生かすっていう観点から見れば、迷彩G10は半透明なのでライナーレス化した方がハンドルが光を通して面白いと思います。

スパイダルコ標準のhourglassクリップ。厚い生地にも対応とかその辺はいつも通り優秀です。4ウェイポジションクリップなので皆位置には文句無し。ゴールデン生産のクリップはGサカイのクリップと微妙に形状が違います。まあ、細かいこと言えばGサカイのhourglassクリップも微妙に形が違う前期型と後期型があるんですけど。

ティップアップでのハンドル突出量は約18㎜。今ではこれくらいが標準的ですね。

ハンドル厚はスパイダルコの他の実用モデルとは刃厚の分だけ僅かに厚いだけで、ほとんど同じです。即ち、  他モデル同様十分薄くて携帯性は高いです。

ランヤードホールが結構大きくて内径6.2㎜あります。パラコードなども楽に通せます。ランヤードで楽しめるあたりもナイフとしての楽しさを引き立てます。

ロック

ロックの話をする前に、えー、ブレードセンタリングはパーフェクト。この個体は縦方向のガタツキは無いですが、横方向のガタツキが僅かにありました。ピボットが緩んでるのかなと思ったのですが、もうネジが締まりきっているのかこれ以上締められませんでした。あんまりガタツキとかは聞かないので多分この個体特有の問題だと思いますが、他にパラミリタリー2を持っている方がいらっしゃれば教えてください。

コンプレッションロック。筆者のような昔を知らない若造からすればコンプレッションロックと言えばパラミリタリー2!みたいな感じがあったのですが、ググってみると最初のコンプレッションロック採用モデルは2001年のvesuviusらしいです。現行centofante3の一番最初の初代モデルと言えばわかる方も多いかと思います。

【追記Jun.26,2018】ツイッターから指摘いただきました。スパイダルコでのコンプレッション初採用モデルはC68 Bram Frank Gunting(2000~2005)です。読者さんのレベル恐るべし。。。。毎度毎度ありがとうございます。

というわけでコンプレッションロックはパラミリタリー2の3年前から存在してはいましたが、当初はいろいろトラブルもあったみたいで本当の意味でコンプレッションロックの素晴らしさを世に知らしめたのはパラミリタリー2でしょう。

コンプレッションロックはライナーロックの改良版です。

ライナーをタングとストップピンに挟み込むことで強度などの向上を実現しています。なんか、ブロークンスカルでトライアッドロックの説明した時も似たようなこと書いたな。優秀なロックはタングと何かの間にバネの力で物を挟み込む構造が多いです。

コンプレッションロックは何が優れているのか。

まず、ライナーロックから引き継いだ部分として、タングの接触面に角度をついています。摩耗してもより深く噛みこむ構造なのでガタツキが出にくいです。

さて、コンプレッションロックはライナーロックと比べて何が優れているのでしょうか?よく言われるのはブレードの動線上に指が来ないので刃に挟まれる危険が少ない。まあ、ナイフに興味を持ち始めたくらいの人が相手ならそういう説明でもいいですが、本サイトではもっと深く突っ込みましょう。てか畳もうとして指が刃に挟まれるとか酔っぱらってる時くらいですよね笑?ライナーロックの最大の弱点は強度の低さです。

https://www.spyderco.com/edge-u-cation/knife-anatomy/locking-mechanisms/

ライナーロックは負荷がかかった時、ライナーが全ての力を受け止めます。ライナーなんて薄い金属の板にすぎませんので限界をこえればライナーがたわんで曲がります。また、ライナーロックは力のかかる方向に対してライナーが斜めになっていて無駄に力がかかってしまうのと横方向の力が発生してしまいます。ライナーを分厚くして強化したのがフレームロックですが、根本的な解決にはなっていません。

コンプレッションロックはタングとストップピンの間にライナーを挟み込みます。かかる負荷はライナーではなく、ストップピンが受け止めます。ライナーロックと違って力を受けている部分がライナーのほんの一部なのでたわんだり曲がったりしにくいのと、負荷がかかる方向が90°変わってライナーが力の方向に対して真っすぐになるので負荷をそのままストップピンに受け流すだけです。これが最大の違いです。

また、これはあくまでも結果ですが、コンプレッションロックは過負荷時に、ロックが勝手に解除されるのでナイフが破壊されません。もちろん、これはタングの接触面の角度も影響しますが。ちなみにライナーロックの場合は負荷が直接ライナーに行くので遥かに早い段階でライナーが負けて破損します。

https://www.youtube.com/watch?v=ERxHUXAFVs4

あと、“ライナーとハンドルの間にゴミなどが入ると解除不能になる”とか言われますが、、、そういうことが起こる可能性は否定しませんが、正直経験したことありません。その理屈で行けばアクシスロックもオメガスプリングの隙間に異物が入ればアウトですしほぼ全てのロックが解除不能のリスクを抱えています。もし実際に、解除不能になった!という経験がある方がいらっしゃいましたら是非教えてください。どういう場面でそうなったかちょっと気になります。

ディテントによるブレードリテンションはパーフェクト。文句無し。

競合

レビューをするうえで大事なことはその製品のエッセンスを掴むことです。実用ナイフならスペックに注目して実用性を考えるべきですし、趣味性の高いナイフなら芸術性や趣味性に注目すべきでしょう。

パラミリタリー2の場合はスペックや用途に注目するよりもナイフ市場での立ち位置や扱われ方に注目して競合を紹介していきます。要するに、ここで紹介するのはどれも絶大な人気を誇るロングセラーです。

Benchmade 940 Osborne

3.4′ S30V ブレード
アルミハンドル
2.9oz
[email protected]

今回の蜘蛛対蝶を鮮やかに彩るのはもちろんこいつでしょう。

モディファイドクリップポイントブレードの941や、こないだ発売されたG10、カーボンハンドルの上位モデルもありますが、やはりここはノーマルの緑の940でしょう。今は亡きミスターオズボーンのレガシーです。

Rest in peace, Mr. Warren Osborne.

940 Osborne AXIS

photo courtesy of Blade HQ

Emerson CQC-7

3.3′ 154CMブレード
G10ハンドル
3.8oz
[email protected](CQC-7BW SF)

発売から実に20年以上経ちましたね。タクティカルナイフブームを牽引した張本人です。別に説明しなくてもいいですよね?

あえてCQC-7じゃなくてもコマンダーとかでも良かったのですがサイズや価格帯的にやはりCQC-7でしょう。

CQC-7

photo courtesy of Blade HQ

Protech TR-3

3.5′ 154CMブレード
アルミハンドル
3.7oz
[email protected](TR-3 SWAT)

日本国内ではスイッチブレードが違法なのでプロテック自体ちょっとマイナーかもしれません。でもカスタム部門なんかは100万円以上もする作品がたくさんあることでも有名です。まあ違法だろうとここでは容赦なく紹介します笑。

プロテックのスイッチブレードと言えば強力なコイルスプリングから得られるアクションの良さとロックアップが両立しているところに定評があります。TR-3は現代のスイッチブレードを象徴するナイフのひとつと言えるでしょう。

Tactical Response 3

photo courtesy of Blade HQ

競合まとめ

本当はmicrotech SOCOMとかも紹介したかったのですが、パラミリタリー2と比べてもうちょいプレミアムな立ち位置なので釣り合いませんね。

今回紹介したのはどれも不朽のロングセラーです。ナイフ業界で何年間も支持を集め続けて一目置かれる存在です。英語で言うところのstood the test of timeて奴ですね。

でもやっぱりそれくらいじゃないとパラミリタリー2と肩を並べられないと思うんですよ。

まとめ

なんかこのナイフつまんないんですよね。外見も良し、クオリティも良し、趣味性も良し、実用も良し。なんか優等生すぎるんですよ。筆者自身がひねくれてるせいかなんかもっと強烈な個性を求めてしまいます。

でも逆にナイフに興味持ち始めた人に
お勧めのフォールディングナイフなに?
って言われたときにここまで誰にでもはっきり推せる器用なナイフも少ないです。

B2さ、悪いけどこれ借りパクするね。

独断と偏見に満ちた総合評価
90/100

ABOUTこの記事をかいた人

S

ストイックに理詰めで装備システムを構築する実用主義者。ponkyがデザイナーならSはエンジニア(B2は中間でバランス良い)。Sからすれば実用性第一で見た目は二の次のようだ。体力はないが、読図やロープワークは超得意。
イギリス生まれなのにアメリカ英語しか使えない日本育ち。